民間の終身保険や年金保険が来春値上げ予定で『いまのうちに加入したほうがおトクですよ』といった、保険会社のセールストークが増加している。経済ジャーナリストの荻原博子さんは言う。

 

「そんな勧誘があったけれどどうしたらいいか、という相談がこのところ舞い込んできます。確かに来年4月以降、保険会社各社では貯蓄性をうたった商品の保険料を上げる可能性が高くなりました。金融庁の指導により、生保会社に義務づけている将来の支払いに応じた運用利回りの標準利率を現行の1.5%から1%に引き下げるようにとのお達しです」

 

各社はこの標準利率を参考に、各商品の予定利率を改定することになる。保険金の支払いに充当する株や債券の運用状況はこのところずっと悪く、保険料を上げないと財務状態が悪化する一方だっだという。

 

ただし、値上げはこれから契約する人を対象にしたもの。すでに入っている商品の予定利率は変わらない。ところがこの値上げに乗じて『いまのうちに』とか『老後の足りない年金を補うために』と契約を勧める営業マンがいるというのだ。

 

「注意が必要なのは、バブルのころに契約した貯蓄性のあるお宝保険をあの手この手で、転換させられてしまうこと。この時代、’90〜93年には予定利率5%以上のものもありました。生保会社はこの高い予定利率を約束してしまったために起こる保険の逆ザヤを解消できずにいる。それで、お宝保険を持っている契約者に転換を勧めてくることもあります」(荻原さん)

 

『いまは保険料の安い掛け捨てが主流ですよ』『最近出たこちらのほうが手厚い保障がありますよ』といったセールストークには要注意だ。

 

「’90年台に契約したお宝保険を持っている人は惑わされることなく、解約せずに持ち続けるのが正解です。これから入るような商品に貯蓄性のうまみは、まるでありません」(荻原さん)

 

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