「医療費をケチるなんて……」と言うなかれ!きちんとした知識があれば、質を落とすことなく、医療費を必要最小限に抑えることが可能だ。ファイナンシャルプランナーで、自身も乳がんを経験した黒田尚子さんが、目からウロコの医療費節約術を解説してくれた。

 

【1】高額医療費制度は絶対に活用すべし!

医療費の限度額が設定され、それを超えたものが還付されるという制度で、国民健康保険などの公的医療保険に加入していれば、利用できる。限度額は70歳未満で、一般的な所得の人なら月額8万円強。ただし、自ら申請しなければ、還付されないのでご注意を。

 

【2】4日以上就労不能なら、傷病手当金を申請すべし!

「傷病手当金制度」とは、健康保険、各種共済組合などの被保険者が3日以上連続して計4日以上就労不能になった場合、最長1年半の間、標準報酬日額の3分の2が支払われる制度。国民健康保険にはない制度なので、自営業者などは民間の所得補償保険に加入する方法がある。

 

【3】風邪などでは大病院に行くべからず

ベッド数が200床以上の大病院の場合、紹介状がなければ診察時に「選定療養費」という割増料金がかかる。風邪など、重篤な病気でなければ、近所のかかりつけ病院に行くべき。また、病院の規模にかかわらず、早朝、深夜、休日の診療時間外には割増料金がかかる。

 

【4】家族の医療費は合算すべし

年間10万円以上(所得が200万円未満の場合、10万円以下でも対象に)の医療費を支払った場合、確定申告をすれば「医療費控除」で税金が戻ってくる。さらにお得なのは、家族の中でいちばん所得の高い人がまとめて医療費を払い、その人が申告をすること。「医療費控除」は税率控除なので、所得が高く、かかる税率が高い人のほうが同じ医療費を払っていても、多く戻ってくる仕組みだ。

 

【5】ジェネリック医薬品を使うべし

先発医薬品に比べ、後発医薬品(ジェネリック医薬品)は3〜5割も安い。長期治療で薬を長期服用する場合は、薬の値段が大きく家計に影響する。診察時に「ジェネリックを使いたい」と医師に希望を伝えよう。

 

【6】医療費はカード払いにすべし

入院、手術など高額な医療費はクレジットカード払いにすれば、かなりポイントがたまる。マツモトキヨシやスギ薬局など大手ドラッグストア内の調剤薬局もカード払いOK。カードのポイントのほかに店のポイントもたまるので、かなりお得だ。

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