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いま50代後半に差し掛かった人は、自身も高齢者の仲間入りをする2030年代になると、生産年齢人口(15〜64歳)、なかでも若年世代はさらに減少していく。「厚生労働省白書」(2015年)では、2035年には男性の3人に1人、女性の5人に1人が生涯結婚しないと推測されており、その改善はますます難しいものに。

 

そんな人口減少による社会構造の変化が、これまでの私たちの生活のあり方に大きな影響を与えてくる2030年代。これから私たちが迎える不安だらけの未来をどう乗り切ればいいのか。そこで、とし生活設計の取締役で、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の大野高志さんと、キャリアカウンセラーの小島貴子さんに、いまの50代が2030年代を乗り切るための方法を教えてもらった。

 

■心を鬼にして旦那の「ぬれ落ち葉」化を防止せよ

 

「衣食住はもちろん、会社以外の人間関係など、生活の自立ができない夫の世話を焼き続けるのは、妻の老後にとって負担でしかありません。『やっぱり私がやらないと』という忖度は撤廃し、お互いに自立した生活スタイルを構築することが重要です。結果的には、それがお互い心身ともに健康で、長生きすることにつながりますから」(小島さん)

 

■老後の資金繰りは、リバースモーゲージの活用も視野に入れて

 

「老後の生活資金として近年注目を集めているのがリバースモーゲージ。現在、住んでいる住宅を担保に融資を受け、借入者の死亡時に住宅を処分することで返済に充てるという仕組みで、空き家対策にもなります。また、年金の受け取りを始める時期ですが、82歳以上生きられるなら支給開始年齢を遅らせたほうが受け取れる総額が多くなることも知っておくといいですね」(大野さん)

 

■新しい「暮らし」の形も選択肢に取り入れて

 

「子どもの独立後は住み替えも1つの手段ですが、立地によっては、空いた部屋を誰かに間貸しするのもあり。家賃収入が生じるのはもちろん、生活が『人』に近くなり、いざというときの危機管理にも。自分がシェアハウスやグループホームに入るという選択肢も。老人ホームに入るよりも、新しい暮らしへの『生き替え』ですので、元気なうちに」(小島さん)

 

 

■バブル時代の記憶は、頭の中から徹底的に排除すべし

「人の支出行動は自身の最大収入に引っ張られてしまう傾向があります。その点、華やかな時代を知っているバブル世代は、定年後に収入が減っても高支出を続けてしまう危険性が大! 現時点でもこの世代には年収1,000万円以上あるのに貯金がない、という方も少なくありませんので、金銭感覚の改革は非常に大切です」(大野さん)

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