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新年度が始まり、また来月からは元号も「令和」に変わります。この機会に、新しく積立預金を始めてみてはいかが? 積立預金のなかには意外な好条件のものがいろいろあるそう。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。

 

オトクな積立預金といえば、会社員の方なら、まずは社内預金、次は財形貯蓄です。これらは利率も高く給与天引きですから、忘れていても勝手に貯まっていきます。

 

こうした制度のない会社員や自営業の方などは自分の口座から自動引き落としで積み立てるのが基本。けれど、ちょっと余裕があれば、金利アップや特典付きのオトクな積立もいろいろあります。

 

実は、JAバンクもねらい目です。なじみの薄い方が多いと思いますが、JAバンクは農業と関係なく誰でも利用できます。

 

JAバンクえひめには、「50歳代限定退職ライフ定期積立」があります。年利は、積立預金では破格の0.3%。大手銀行の定期預金利率0.01%の30倍です。満期には、特別割引のあるパック旅行を案内する特典も付いています。

 

積立預金を選ぶ際、毎月の預け替えの手間も重要です。家や勤め先に近いなど、できるだけ手間のかからない金融機関を選びましょう。面倒になって口座振込みをすると、利息より高い振込手数料がかかって元も子もありません。

 

半田信用金庫「安心積立」は、給与振込みのある方に、店頭金利に0.05%上乗せがあります。これなら預け替えの手間もなく、楽に長続きするでしょう。さらに、引き落としを給料日の翌日あたりに設定すれば、先に貯金をして残ったお金でやりくりする「先取り貯蓄」が実践できます。

 

SBJ銀行の「ベスト積金」は、積立期間が半年だと年利0.05%ですが、1年だと0.1%、2年だと0.15%と上がっていき、最高は5年の0.25%です。ですが途中で解約すると、預金ですから元本割れになることはありませんが、予定利率が引き下げられます。使うタイミングなどを考えて、期間を決めてください。

 

地方銀行や信用金庫は営業エリアが限定されるところが多いのですが、SBJ銀行などネットバンキングなら、全国どこからでも申し込めます。

 

また、定期預金でよく見る懸賞付きの積立預金もあります。

 

越前信用金庫の懸賞金付定期積金「夢一番」は、積立金1万円ごとに抽選権が1本もらえ、1等5万円が最大4本、2等3万円は最大8本などが当たります。

 

さらに、利率はほかと変わらないものの、さまざまな特典を付けて、差別化を狙うものがあります。

 

仙台農業協同組合の定期積金「やすらぎ」は、同組合で葬儀を行うと割引があります。祭壇が10~20%引き、花環が10%引き、葬祭会館利用料が10~20%引きなどです。実際に葬儀を行うと、利息よりずっとオトクになることもあるでしょう。

 

目的をもっと絞ると、金融機関より有利な積み立てがあります。航空会社や旅行会社が行っている「旅行積立」もそのひとつ。なかでも、全日空の「ANA旅行積立ハワイ限定プラン」は、年利3.8%にも相当する高利回りです。

 

オトクな商品ですが、注意点があります。まず、満期時に受け取るのはハワイ行きの旅行券だということ。お金ではありません。また、当然ながらANAのツアーでしか使えません。ツアー内容などを事前によく調べてください。

 

さらに、金融機関と違って、破綻した際、積立金の保証制度はありません。積み立てた全額が戻るのはむずかしいでしょう。

 

金融機関以外の積み立てでは、百貨店の「友の会」がより高利回りです。積立金がいくらでも、12カ月積み立てれば13カ月分が受け取れますから、年利は15%超です。ただ旅行積立と同様、受け取るのはその百貨店でしか使えない商品券です。使い道をよく考えて。破綻の保証もありません。

経済ジャーナリスト

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