2018年7月に事実婚を発表し、2019年9月に長男が誕生した、はあちゅうとしみけん。活躍する業界もファン層も違う異色夫婦が、「これ、どうする?」「あれ、どう思ってる?」を赤裸々に語り合う本誌連載「家族会議 議事録」。第10回は、保育園探し(=保活)。出産前から、始まっていました。
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はあちゅう「母乳と粉ミルク、どっちで育てるか問題ってあるよね。母乳派の説明も、もちろん理解できるけど、『粉ミルクにしたほうが赤ちゃんを預けやすい』とか、『お母さんの胸の形が崩れない』とかのメリットもある。ただ、親世代の “母乳信仰” も根強くて、うちの母は50代だけど、母乳と粉ミルクの混合を予定してるって言ったら『完全母乳じゃなくていいの!?』って言われた」
しみけん「僕は前の結婚で、母乳で育てる大変さは知ってるので、文明の利器に頼れるところは頼っていいと思う」
はあちゅう「『母乳をあげてないと、お母さんの体調が戻りづらかったりもする』と聞いたよ」
しみけん「ちなみに、女性ホルモンを投与したニューハーフの母乳は酸っぱいんだよ」
はあちゅう「知らないよ(笑)」
しみけん「あと、男の乳を吸わせると、反抗期に暴力的にならないという謎の理論もあるよね」
はあちゅう「だから、知らないって(笑)」
しみけん「お母さんは『プロラクチン』のおかげで母乳が出るわけだけど、このプロラクチンが原因で、夫に対して攻撃的になる。赤ちゃんを守るための母性として、赤ちゃん以外の存在を敵対視するんだよね」
はあちゅう「『産後クライシス』だ。出産した途端に旦那が嫌いになるやつ。これは世の男性にも、もっと勉強してもらいたいな」
しみけん「女性の産後2年間は、男でいうところの『賢者タイム』と一緒なんだって。射精後の冷めた感じが2年続く」
はあちゅう「いまと関係が変わっちゃったらどうしよう……。ただ、出産前に保育園の見学にまわったときには、けんちゃんは一緒についてきてくれたし、『僕はここに行かせたい』って意見をしっかり言ってくれて頼もしかった。それで言うと、5園まわって、私たち以外にお父さんを一度も見かけなかったね。お母さんだけが見学に来てる」
しみけん「僕は、平日に時間の自由がきく仕事だからね。ただ保育士さんたちから、『父親も平日に見学に来れるんだったら、そもそも保育園に預けなくていいんじゃない?』って思われてそう(笑)」
はあちゅう「子育てしているお母さんの孤独を感じたよ。お母さんしか見学してないと、ひとりでどの園にするか判断しなきゃいけなくなるでしょ? お父さんは、『君の好きなところで』って言うかもしれないけど、いざ入園して、もしその園や先生たちと合わなかったら、責任を抱え込みそう」
しみけん「へんな先生にあたるほうが、対人関係のトラブル対処能力が上がるという点で、我々の勉強にもなるよ」
はあちゅう「いやだなあ。最初からへんな洗脳は受けたくない。まあ、基本はけんちゃんの希望でいいよ。1園、気に入ったところがあったよね」
しみけん「いちばん汚ないとこね(笑)」
はあちゅう「言い方! アットホームな感じね」
しみけん「壁がボロボロだった」
はあちゅう「折り紙で作った花や折り鶴がそこらじゅうに飾ってあって、『ザ・保育園』って感じの園だったね」
しみけん「セミの抜け殻も貼ってあった」
はあちゅう「私が気に入った園には、そういう装飾はなくて、子供たちに、先生のことを『◯◯先生』じゃなくて、『◯◯さん』って呼ばせてた。子供のときから、大人と対等に育てるという方針」
しみけん「そっちに通わせたら、マリー・アントワネットみたいに育ちそう。『食べるものがなかったら、ケーキ食えよ』みたいな」
はあちゅう「ならないよ(笑)。でも、園によって、こんなに違うんだと驚いたよね」
しみけん「僕自身が、地べたを這いつくばるような人生を歩んできたから、『初めからキラキラした場所で過ごさせるより、いろんなものを見られる環境を経験させたほうが、人間的な深みが育まれる』と思って」
はあちゅう「私はどっちかというと、新しい保育園に入れたい(笑)。自分が通うにしても、きれいだとテンションが上がる」
しみけん「でも、人ってきれいな思い出より汚ない思い出のほうが印象に残ってるものじゃない?」
はあちゅう「そうかなぁ……? でも、アットホームなほうの園は、子供たちがすごく元気だったんだよね。対して、きれいな園はみんなおとなしく見えた。たまたまかもだけど」
しみけん「園までの道も、汚ないほうは裏道みたいなルートで、大通りを通らない。きれいなとこは大通りを通る」
はあちゅう「がちゃがちゃした雰囲気を体験させて強くしたいんだよね、けんちゃん。子供を崖から落として、這い上がってこさせるような子育てを考えてるな(笑)」
しみけん「というか、『0歳児保育』で保育園に入れる気が全然しないよ(笑)。うちらはフリーランス同士の夫婦だから、フルタイム勤務の共働き夫婦に比べて、家庭状況をポイント化した『点数』がすごく低いんだよね。だからとても入園しづらい」
はあちゅう「私はなぜか無根拠に、入れると信じてるんだよね。落ちたときのことは、落ちたときに考えるというか。テレビ出演でも、前日は全然緊張しないのに、当日番組が始まってからやっと緊張しはじめる。入れなかったら焦るんだろうけど……」
しみけん「なんか議員さんとか、裏のコネクションないかなあ(笑)」
はあちゅう「ないよ。そういうのは冗談でもやめなさい(笑)」
【はあちゅう】
1986年、神奈川県生まれ 慶應大学在学中より、ブロガー活動を開始。会社員経験を経て、2014年、フリーに。ブログ「旦那観察日記」で、夫婦生活を鋭意発信中。
【しみけん】
1979年、千葉県生まれ 1998年にAVデビューし、出演本数は約1万本の現役AV男優。最新刊『しみけん式「超」SEXメソッド』(笠倉出版社)が発売中。
取材&構成・稲田豊史
(週刊FLASH 2019年11月5日号)