藤井聡太七段(17)の恩師で「ふみもと子供将棋教室」を主宰する文本力雄さん(65)。
教室内では藤井七段は当時通っていた7~8人の子供たちのなかでも、とても活発な少年だったという。
「実は運動神経もよくて、性格も活発なタイプでした。毎春行っていた“お花見将棋”で、河原の広場でかけっこをしたときは、いちばん体も小さいのに、年上の子より弾丸みたいに速かったですね。将棋の授業後には、みんなと一緒にトランプもよくやっていました。
教室の最後は毎回、私が作った坂本九さんの『明日があるさ』の替え歌をみんなで合唱するのが恒例で、必ずいちばん前列の真ん中にいて大きな声で一所懸命、歌っていたのも聡太くんでした」
その合唱の後、プロレスごっこが始まることもあった。
「聡太くんがいちばん年下なので、やられるかと思ったらとんでもない! 年上の子とも対等にプロレスをやっていました。さすがに4歳年上の子には負けていましたが、それでも向かっていってました」
文本さんの笑顔は止まらない。将棋に加えて、遊びや運動までできた、藤井七段には思い出深い“学びの場”だったことだろう。実は“初恋”もここで芽生えていたようだ――。