主演ドラマ『俺の家の話』(TBS系)がスタートし、プロレスラーの役作りのために3カ月で約12キロ増量したことが話題になっている長瀬智也(42)。3月でジャニーズ事務所を退所する彼の個性的すぎる俳優人生を振り返ります。そこには、老若男女問わず誰をも引き寄せてしまう、唯一無二の魅力がありました――!
【’95年7月】ドラマ『カケオチのススメ』
家庭教師の彼女(永作博美)を持つ浪人生を演じた。当時16歳。ドラマの制作発表には子犬を抱っこしながら登場。
【’96年1月】ドラマ『白線流し』
卒業式に学帽の白線とスカーフを川に流す儀式をもとに作られた青春群像劇。連ドラ初主演ドラマで繊細な高校生役を。
【’97年7月】ドラマ『D×D』
特殊能力を持つ2人の青年が、数々の怪事件を解決していくサスペンスホラー。岡田准一との共演が話題となった。
【’98年7月】ドラマ『ラブとエロス』
未亡人のカスミ(浅野温子)のかわいい年下彼氏・次郎を熱演。このドラマの影響で年下彼氏が女性の憧れに。
【’00年4月】ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』
宮藤官九郎と初めてタッグを組んだドラマ。渡辺謙に小雪、窪塚洋介と、錚々たるメンバーのなか主演を務めた。
【’05年4月】ドラマ『タイガー&ドラゴン』
ヤクザが落語に目覚め、弟子入りして奮闘する物語。岡田准一とW主演。落語ブームの火付け役となった作品。
【’05年4月】映画『真夜中の弥次さん喜多さん』
しりあがり寿の人気漫画の実写化。歌、ダンス、お色気ありのドタバタ時代劇。中村七之助との共演も話題に。
【’06年7月】ドラマ『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』
ヤクザの組長を目指す27歳の真喜男(長瀬)が、ひょんなきっかけで高校生になるというはちゃめちゃコメディ。
【’07年10月】ドラマ『歌姫』
笑って泣けるラブストーリー。会見では共演の高田純次が得意の適当発言をし大爆笑。豪快な笑顔も長瀬の魅力のひとつ。
【’13年1月】ドラマ『泣くな、はらちゃん』
漫画の中のキャラクターが現実世界に生きている女性に恋をする物語。ロケ地巡りがはやるほどの人気ぶりだった。
【’13年10月】ドラマ『クロコーチ』
昭和の未解決事件“三億円事件”を追いかけながら、政治家の弱みを握って恐喝する悪徳刑事役を演じた。
【’16年6月】映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』
こちらも宮藤官九郎監督・脚本の超絶地獄コメディ。長瀬の演じた鬼は元々人間だったという深いメッセージも。
【’17年7月】ドラマ『ごめん、愛してる』
韓国で社会現象を起こしたドラマのリメーク。不遇の人生を送っていた男が初めて本気で人を愛するラブストーリー。
「長瀬さんは宮藤官九郎さんとの出会いによって、イケメン王道路線からキャラ変し、役者としての幅を広げられましたね」
そう語るのは『ジャニーズは努力9割』を著書に持つ、元祖ジャニヲタの霜田明寛氏。
「ご本人が『僕はドラマに育ててもらったし、好きなんです』と話されていましたが、実際にずっと連ドラで活躍されていますね。役者を始めたころは『白線流し』で繊細な青年を、『ラブとエロス』では年下彼氏を演じ、王道路線だった長瀬さん。しかし『池袋ウエストゲートパーク』で“素人童貞”を演じ、ジャニーズではなかった“非モテ系”を確立しました。その後、二宮和也さんが童貞役を演じるなど、後輩たちに新しい道を作りました」
そんな霜田氏の印象にとくに残っているのは、『泣くな、はらちゃん』だという。
「顔芸がすごかったし、そもそも人間の役でもなかった(笑)。ついにここまできたか、と。物語のピュアな代弁者でありながら、色気を出したり消したりできる類まれな魅力の持ち主です」
クドカンとの作品についてはこう続ける。
「ただ面白いだけじゃない。登場人物の背景が奥深く描かれています。『俺の家の話』はまさに2人の集大成、介護や相続など社会問題を詰め込みながら説教臭くなく、純粋に楽しめます。長瀬さんは後輩から慕われ、年上の人からも好かれてカリスマ性も持っている。今後もその人柄と才能を発揮されるでしょう」
「女性自身」2021年2月16日号 掲載