東日本大震災の発生からまもなく10年を迎える。
昨年は新型コロナウイルスの影響で見送られた政府主催の追悼式だが、政府は3月2日の閣議で2年ぶりに開催することを決定した。天皇皇后両陛下が出席し、陛下がおことばを述べることが発表された。
「震災翌年の’12年から行われてきた追悼式は、’16年までは上皇上皇后両陛下がご出席。6回目となる’17年からは、秋篠宮ご夫妻の出席されてきました。今年は10年の節目でもあり、天皇、皇后両陛下が臨席されることになりました」(皇室担当記者)
陛下と雅子さまは震災から10年を目前に、2月16日から岩手県、福島県、宮城県の被災地3県をオンラインでお見舞いすることが予定されていた。だがその矢先、2月13日深夜23時すぎに福島県沖を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生。余震のおそれもあり、関係機関が対策に専念できるようにとの配慮から、オンライン訪問は延期となってしまった。
昨年11月以降、オンライン訪問に臨まれてきた陛下と雅子さまだが、雅子さまの体調はいまだ快復の途上にある。陛下は先日の誕生日会見で、雅子さまについて「体調には波があり、大きな行事の後には、疲れがしばらく残る傾向があります」と説明された。
医師団の見解によると、雅子さまは新型コロナウイルスの影響で活動が制限され、体調が整えづらい状況にあるという。体調面での不安がある中で大きな行事へのご出席となるが、その陰には雅子さまの「被災者を励ましたい」という強い気持ちがあるという。
「雅子さまは’11年6月に宮城県の被災地を訪れて以来、繰り返し被災地をお見舞いされてきました。体調不良から思うように活動ができない時期もありましたが、それでも雅子さまは被災者を励まし続けてこられたのです。
10年の節目となる追悼式は今年で一区切りとされ、政府は来年以降の開催をその時の情勢に応じて判断する方針です。つまり、来年は開催されるかどうか不確定なのです。それだけに『被災者の心に寄り添い続けたい』と願う雅子さまにとって、今回の追悼式は重要な意味を持つでしょう」(前出・皇室担当記者)
雅子さまは昨年、誕生日に際したご感想のなかで《国民のお一人お一人が、幸せであっていただきたいかけがえのない存在》と綴られている。雅子さまの被災者を思いやるお気持ちは、きっと届くだろう。