「餅は餅屋」なんていうことわざもあるように、脳のことを聞くならやっぱり脳の専門家。今回、脳のプロフェッショナルがおすすめしてくれた、脳を健やかにしてくれる「健脳おやつ」を、ぜひあなたもご賞味あれ!
「じつはおいしいおやつは、実際に食べなくても、想像しただけで脳に刺激を与え、脳内ホルモンのドーパミンが分泌されます。すると脳が活性化しやる気が増し、脳の海馬に働きかけて記憶力もアップすることが知られています」
公立諏訪東京理科大学教授で脳科学者の篠原菊紀先生が挙げるのは、地元・長野県特産のりんご。ポリフェノールには抗酸化作用があり、最近では認知機能維持作用があるという報告もされている。
「ぶどうもポリフェノールが豊富なんですが、最近のものは甘すぎる品種が多いので、糖分の取りすぎが気になります。りんごもなるべく甘すぎない品種を選んで、皮ごとかじるのが脳にはおすすめ。噛みしめるという行為が脳の海馬を活性化させてくれます」
脳の海馬は記憶を定着させる場所で、ここが活性化することで、認知症予防になるという。
「おやつでもうひとつ挙げるならドライフルーツですかね。これもあごを使いますし、とくに血糖値が上がりにくいバナナチップがおすすめです」
以前から、篠原先生は脳によい食生活として、’70年代の日本の家庭料理を挙げている。
「ヨーロッパで健康食とされる地中海食もそうなんですが、野菜と魚、それにちょっと肉が入ったメニューが’70年代の日本の家庭料理。オメガ3脂肪酸とポリフェノールがバランスよく取れる理想的なメニューなんですよ。これを基準に食べていれば長命で、認知機能の維持にもいいと思います」
こうしたバランスのよい食生活と、糖尿病や高血圧症といった生活習慣病の予防が、認知症対策として有効だと話す。
さて、そんな篠原先生が認知機能の自己診断にと出題してくれたのが次の問題だ。
「スマホのストップウオッチ機能を使って、1分間で、たとえば動物の名前や『か』で始まる単語をいくつ言えるか数えてください。14個言えたら安心の目安です」
この診断テストは、簡単な認知症の検査に使われるもののひとつ。
「もし挙げられた動物の数が14未満だったとしても、その結果が即認知症であるという意味ではありません。あくまでひとつの目安として、不安があれば専門医に相談してください」
ほかにも篠原先生からはこんな出題も。
「さくら、ねこ、電車のように3つの単語を紙に書いておき、それをいったん伏せます。次に数字を3つ挙げるのでそれを逆から言ってみてください。まず6、8、9。今度は4つで2、3、8、4を逆から。さて、冒頭の3つの単語はなんだったでしょうか?」
さて、あなたはどれだけ答えられたかな?