「胃の健康を保つには、大根おろしがおすすめです。大根はジアスターゼという消化酵素やビタミンCが豊富。すりおろせば、解毒作用や抗菌効果の高いイソチオシアネートも生成されます。ぜひ生で食べてください」
そう話すのは、管理栄養士でレストランのオーナー兼シェフでもある堀知佐子さんだ。
東洋医学に詳しい養生ダイエットコンサルタントのEllyさんも口をそろえる。
「薬膳の観点では、大根は老廃物を分解して散らす『辛散作用』があり、養生界の最強食材といわれます。また、生のしょうがにも強力な辛散作用があるので、両方合わせてお湯で溶いた“大根しょうが汁”は、胃を守る“胃活”の最強タッグになるでしょう」
堀さんいわく、生のしょうがには血行を促進して免疫力を高め、抗菌作用の高いジンゲロールが含まれるため、大根と相性バツグンだそう。
■食べすぎた日は寝る前に飲むと翌朝胃がスッキリ
大根しょうが汁は、天ぷらやサバなどの焼き魚に添えたり、湯豆腐などにトッピングしてもおいしい。ちりめんじゃこを加えれば、胃の養生につながるさっぱり副菜のできあがりだ。
「お餅は大根しょうが汁で『からみ餅』にすると胃にやさしく、たくさん食べられます」(堀さん)
また、薬膳では大根しょうが汁を飲み物にするという。
「大根おろし大さじ2~3、おろししょうが小さじ2分の1、醤油大さじ1~2をカップに入れ、熱々のお湯か番茶を200mlそそいで作るのが『第一大根湯』です。
食べすぎた日は寝る前に、熱々をふうふうしながら第一大根湯を飲んでください。翌朝には胃がスッキリします」(Ellyさん)
ただし刺激が強いため、飲むのは1日1~2杯まで。体調によりおいしいと感じる塩味は変わるので、醤油は味見をしながらおいしい量に加減していいそうだ。
ただ塩分が気になる人も……。
「お湯に大根しょうが汁とはちみつを加えると、胃を守るおいしいドリンクになります。大根おろしを使うとき、大根から出る水分を切って捨ててしまう人がいますが、イソチオシアネートなどは水分のほうに多く含まれます。捨てずに飲んでください」(堀さん)
胃もたれがひどいときは固形物を食べず、大根しょうが汁を飲んで胃を休ませよう。薬に頼らなくても、胃が復活するだろう。
大根しょうが汁で健康な胃をキープしよう。