夢野:私は2015年に乳がんが発覚し、治療が一段落した2020年に闘病体験を描いたコミックエッセイ『乳癌日記』(廣済堂出版)を出して、人生が激変しました。
山下:夢野さんがSNSで綴っていた闘病記を読んで「大変そうだなぁ」と思っていたら、自分もすい臓がんが見つかっちゃった。
夢野かつきさん(50)は、昨年11月、友人である山下由美子さん(仮名・58)の闘病の日々を描いた『続 乳癌日記』(同)を刊行。
主人公の山下さんは2016年9月、末期のすい臓がんを宣告されたが、懸命な治療のかいがあり寛解し、今年で生存10年目。いまは普通の生活を送っている。
夢野:すい臓がんのステージIVで寛解はとても珍しいケース。『乳癌日記』をすでに出していた私にとって、「運命?」とも思える使命感が働いて、「山下さんの経験を伝えたいの」とお願いしたんだよね。
山下:私が治療を受けた病院を見に行ってくれたの? と思わず聞いてしまったくらい、克明に再現してくれているよね。
――夢野さんと山下さんの出会いは、がんに罹患するよりもっと以前とのことですね。
夢野:そうです。私たちは『黄泉がえり』などの著作がある作家・梶尾真治さんのファンで、そのつながり。
山下:先生を囲む会だよね。
――SF作家の愛読者が、がんでつながったということですか。
夢野:そうです。その後、私が闘病中にSNSで日記を綴っていると、山下さんが《すい臓がんになっちゃった》ってメッセージをくれて。私は抗がん剤の副作用が出ていて、髪の毛が抜けてしまっていたけど、医療用の帽子をかぶってお見舞いに駆けつけたんだよね。
山下:私はこれからどんな治療が待っているのか、不安だらけで……。がんの部位は違うけれど、《抗がん剤のこととか教えてね》ってメッセージを送ったら、本当にいろいろ教えてくれたんだよね。
