落選者ヒアリングに臨む元共同代表の2人(写真:時事通信) 画像を見る

2月8日の衆院選からもうまもなく1カ月。歴史的大勝をおさめた自民党が勢いを強めるいっぽう、172議席から49議席という大惨敗を喫した中道改革連合の面々は厳しい“その後”を過ごしているようだ。

 

安住淳氏(64)や小沢一郎氏(83)といった大物議員が次々と敗れ、立憲民主党の初代代表を務めた枝野幸男氏(61)もまさかの敗北を喫した。そんな枝野氏が2月21日にXにポストした“近況報告”が波紋を呼ぶことに。

 

《当然のことですが、皆さんからお預かりした政治献金と生活費は、明確に区別すべきもの。皆さんからの政治献金は本当にありがたいのですが、非議員となると、それだけでは食べていけません。そんな中で私的な収入となる講演料をいただける機会はたいへん助かります》

 

そのまま読めば、特段ツッコミどころのない内容だが、XのAIが「献金だけでは食べていけない」という、困窮を示唆するような見出しで誤って要約して拡散。その要約だけを見た人たちから、ネット上で《働けよ》といった批判が殺到する事態となってしまった。

 

24日、枝野氏はXで、《そんなポストはしていません》と否定。《弁護士業務による収入の確保に向けた準備を進めていますし、若干の蓄えもあり、現時点で生活に困っている訳ではなく、そのようなことは示唆もしていません。ただ今後、最大4年間、政治活動の資金と私的な収入の双方を確保しつつ、政治活動の時間をどう取っていけるのかが課題となります》と訂正しつつ、窮状も訴えた。

 

高市早苗首相(64)は変わらず高い支持率を誇り、自民党が3分の2以上という圧倒的な議席を獲得したことからも、よほど解散する理由がない限り、次の衆院選は任期満了に伴う’30年までない可能性が高い。

 

落選により一夜にして“職場”を失った元議員にとって、次に向けた政治活動と生活の両立は死活問題だ。実際のところ落選議員たちはどのような生活をしているのだろうかーー。

 

まだ無職になってから3週間ほど経った、元立憲民主党幹部の秘書・A氏は次のように明かす。

 

「今日も落ちた議員がうちの先生に電話して『どうしましょう……』と助けを求めていましたが、今も右往左往している人が多いです。与党がこれだけ議席を取ったら4年間選挙はなさそうですし、みんな再就職しないと生活は厳しいですよね」

 

働かなければ食べていけないのは当然だが、枝野氏が訴える通り、生活者として労働しつつ、次の選挙に向けて”浪人議員”として政治活動を両立させるのは資金的にも時間的にも厳しいだろう。一般的な浪人議員はどのような生活をしているのだろうか。

 

「次の選挙に出馬する意思表示をしている人に関しては、選挙区や都道府県単位に設置されている政党総支部の総支部長ポストをもらって党から政治活動の名目でお金が出ます。『これで政治活動をしてください』と、自民党なら月 50〜100 万円、立憲なら大体月50万円が事務所運営費として出ます。

 

もちろん、私的に使用していいお金ではないので、50 万円そのままが生活費に当てられるわけではありません。事務所の家賃や経費、人件費として使うので、それで生計が立てられるわけではありません。だから、総支部長ポストだけでは生活はできませんが、役職を与えることによって多少の生活の下支えにはなっていました。しかし、今回はそれすらもちょっと厳しいだろうと思います」

 

今回の選挙で、中道は172あった議席を49まで大幅に減らしてしまった。大量の浪人議員に総支部長ポストを与えることは現実的に難しいようだ。

 

しかし、落選議員といえば地元企業の顧問などに就いて浪人期間をやり過ごすイメージもある。最近では「このハゲ〜!」でおなじみのパワハラ騒動で自民党を離党し、’17年の衆院選に無所属で出馬するも落選した豊田真由子氏(51)が、先の衆院選で当選するまでの約9年間、政界にも顔がきく女性実業家が営む特別養護老人ホームの顧問に就任していたことを『週刊文春』が報じている。

 

「そういうのはやっぱり自民党さんですよね。与党として予算を握っていて、企業献金ももらっていてそれまでのお付き合いがあればこそですよね。逆に、『そういう癒着やしがらみはおかしい』と訴えていた立場の立憲議員がそこにパイプがあるかといったら、ないです。

 

だから、地元の建設会社とか介護施設とかに食い込んでいる自民党議員は、落選してもそうした企業の顧問職をもらいやすいんですよね。企業としても予算を握っている自民党だからこそ、仕事をもらえる期待があるわけですからね」

 

企業とのパイプのある自民党と異なり、立憲出身の落選議員の立場は苦しい。

 

「立憲は連合(日本労働組合総連合会)に支援していただいていますが、連合は労働組合であり、営利団体ではないのでお金が余ってるということもないですしね。だから、多いのは支援者を頼って一般企業に就職するパターンです。

 

企業との癒着みたいなものはなくても、支援者はいます。以前あったケースだと、富山1区から出馬して衆議院議員を3期、文部科学大臣政務官も務めた村井宗明氏(52)が、’12 年の落選後に大手旅行会社に務めることになりました。もう仕事が成り立ち家族を養っているので、『政界には戻れません』ということで引退していますもう仕事が成り立ち家族を養っているので、『政界には戻れません』ということで引退しています。

 

『週刊ダイヤモンド』の記者の岡田悟氏(42)は会社の休職制度を利用して兵庫7区から出馬しましたが、先の衆院選では比例復活できず落選。『サラリーマンの立場で国政に挑戦した。今後、収入もなく政治活動を続けることは難しい』と休職制度は使い切ったため政治家は引退して会社員に戻りました。そういう制度がないと、そもそも挑戦するのも難しいですよね」

 

立憲には枝野氏をはじめ、米山隆一氏(58)など弁護士などの士業の元議員も少なくないがーー。

 

「枝野氏や米山氏くらい知名度があれば仕事はなんとかなるとは思いますが、弁護士資格を持っていても1期で落選したような若手議員だと、それだけですぐに仕事が来るかというと難しいですよね。自分の事務所を開いたとしても、4年後の選挙を見据えて動かないといけないので、裁判が長期化するような刑事事件などは受けられないですし、兼業は本当に難しいです。

 

なので、本来浪人議員は、ファイティングポーズを取り続けていれば個人献金してくれる人もいるんですよ。それに講演料が月に10万円でも入って、総支部長になって全部で80万、90万円とかになればっていうのが、しっかり政治活動をしつつ生活も維持するひとつの青写真ですが、なかなかそううまくはいきませんよね」

 

議員の苦労もそうだが、秘書の再就職状況はどうなっているのだろう。A氏に就活状況を聞いたところ「ありがたいお話も何件かいただいている」が、まだ就活中だという。

 

「ほかの秘書たちも、今回議席を伸ばしたチームみらいから声がかかったり、逆にチームみらいや自民党あたりにも売り込みをかけてみたりね。やっぱり、なんとかツテを辿って『もう自民党でも……』って人もいますよね。まあ、みんななかなか厳しいですよ(苦笑)」

出典元:

WEB女性自身

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