日本に来るのは最後!?︎ チケット争奪戦の原因となったフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」(写真:本誌写真部) 画像を見る

8月21日から大阪中之島美術館で開幕する「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」。オランダ・マウリッツハイス美術館が所蔵するヨハネス・フェルメールの代表作《真珠の耳飾りの少女》をはじめ、17世紀オランダ絵画の名品が来日する、今年最も注目されている展覧会だ。

 

ところが、6月15日に始まったtabiwaによる先行販売ではアクセスが集中し、公式サイトが謝罪する事態に。待機人数は10万人超、待ち時間は12時間以上とも報告され、定価3000円のチケットが6万円で高額転売されるケースも出ている。

 

なぜここまでの騒動になったのか。美術を面白く伝える活動を続ける、日本で唯一のアートテラーとして活動しているとに〜さんは「いくつもの条件が重なった結果」と見ている。

 

「まず発表のタイミングが遅かったんです。例年、年末には翌年の注目展がある程度見えてくるのですが、この展覧会は年明けに発表されました。そこにまず業界的にも驚きがありました。さらに大阪のみで、会期も約1カ月。ここが大きいですよね」

 

フェルメール作品は現存数が30数点と少なく、《真珠の耳飾りの少女》はその中でも世界的に知られる一枚。とはいえ、過去にも日本で公開されたことはある。

 

「過熱に火をつけたのは、“今回が日本で見られる最後の機会かもしれない”という見方が広まったことです。所蔵館の改修という特殊なタイミングで実現した貸し出しであり、近年は名品の海外貸し出しに慎重な流れも強まっています。とりわけ、ツーリズムの観点からも、看板作品を外へ出すメリットは大きくない。日本に来るのは、本当に最後に近いのではないかと思います」(とに〜さん、以下同)

 

さらに、とに〜さんが注目するのはチケット価格だ。一般3000円という金額は、SNSでは「高い」と受け止める声もあるが……。

 

「確かに、他の展覧会と比べると高いように感じられます。しかし、例えば、海外アーティストのコンサートや演劇なら10000円を超えることも珍しくない。そう考えると、フェルメールの代表作が3000円で見られるのはむしろ安いようにも思えます。今回のように短い会期で、注目度も高い展覧会なら、一律にするのではなく、価格変動制チケット(ダイナミックプライシング)を導入してもよかったかも」

 

価格が抑えられたことは鑑賞者にとってありがたい半面、転売目的の参入を招きやすくした可能性もあるという。

 

「本当に見たい人に届くべきチケットが、転売目的で押さえられてしまうのは腹立たしい。ここは大きな問題だと思います。販売方法にも課題がありました。コロナ禍以降、美術展でも日時指定やオンライン予約は定着しましたが、今回はチケット販売サイトが不慣れだったこともあり、アクセス集中に耐えきれませんでした」

 

騒動を受けて、《第1期~第3期の一般販売における先着販売を取りやめ、全会期分の通常券(日時指定制)の抽選販売をチケットぴあにて行います(7月14日から7月21日まで受付》と、6月30日に公式サイトで発表された。

 

なお、当日券の販売は行われないよう。抽選に当たらなければ、《真珠の耳飾りの少女》に出会えないのだろうか。

 

「混乱を避けるための判断だったとしても、結果として“見たい人にどう届けるか”という課題は残ります。今後は、抽選販売の透明性や追加販売の有無を含め、来場希望者が納得できる情報発信がより重要になるのではないでしょうか」

 

“最後かもしれない名画”を前に、期待と混乱が同時に膨らむ今回のフェルメール展。
美術展がここまで話題になること自体は、悪いことではないが、ただ、見たい人が適正な形で見られる仕組みを、主催者はしっかり整えてほしい。

 

画像ページ >【写真あり】見られる人はラッキー。「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」を開催する大阪中之島美術館(他1枚)

出典元:

WEB女性自身

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