「大阪ありきで議論が進められているのではないか。大阪のための、大阪による法律ではないかという疑念が生じても不思議ではありません」
7月14日の衆議院副首都法案特別委員会で、中道改革連合の早稲田夕季衆院議員(67)は、自民・維新両党が成立を目指す副首都法案をこう追及した。そもそも、副首都構想とは何なのか――。
「副首都構想は、自由民主党と日本維新の会が2025年10月の連立政権合意に基づいて提出した議員立法です。本来は東京一極集中を是正し、大規模災害時などに首都機能を代替する都市を整備することが目的でした。しかし当初案には、副首都機能を持たせる要件として『特別区を設置していること』が盛り込まれ、維新が目指す大阪都構想を事実上前提とした内容になっていました」(全国紙記者)
野党のみならず、自民党内からも反発があったことで、今年3月に維新は法案修正に合意。「特別区設置」は必須条件から外された。
それでも、大阪府では副首都に向けた準備が着々と進められている。
「情報公開請求で分かったのですが、大阪府に設置されている“副首都推進局”の職員は、昨年度の54人から今年度は118人へと一気に増えています。それに伴い、人件費も8億2700万円増えて約14億7000万円に。もし副首都が別の都市に決まったら、この人件費はどうなるのでしょうか」
そう話すのは、大阪府政を長年ウォッチしてきた「おおさか市民ネットワーク」代表の藤永延代さんだ。実際に、福岡市の高島宗一郎市長は「大阪ありきになるともったいない」と公言し、副首都への意欲を示している。
「先日、副首都推進局を訪ねたんですが、会議室に平机とパソコンが並び、100人以上の職員が座っていました。『どんな仕事をしているんですか』と聞くと、『まだ決まっていません』という答えでした。法律も成立していないのに、人件費だけで年間14億円もの市税が使われているんです」(藤永さん)
前出の全国紙記者はこう指摘する。
「副首都法案の成立は、イコール大阪が副首都になることを意味しません。法案さえ通せば、副首都はもう決まったつもりでいるんでしょう」
