7月24日の木原稔官房長官(撮影:長谷川新) 画像を見る

7月29日、防衛省は熊本地震被災地の避難所などで使用するスポットクーラー約300台を航空自衛隊入間基地から熊本空港に空輸した。

 

災害時に避難所となる全国の公立小中学校の体育館などでは、クーラーが設置されていないケースが多い。猛暑の中で起こった大地震を機に、SNS上では《なぜ体育館への設置を進めなかったのか》といった批判が巻き起こっている。

 

文部科学省の発表した資料によると、2026年5月1日現在、避難所指定校となっている小中学校のクーラー設置率は全国平均で33.1%だ。被災した熊本県の設置率は20.9%と全国平均を下回っているが、九州・沖縄では大分県の39.4%に次ぐ2番目で、福岡県の16.0%よりも高い。

 

そして、設置率が圧倒的に高いのが東京都の95.9%で、次いで大阪府の61.8%。3位が兵庫県の58.1%、以下栃木県の57.1%、山形県の50.7%と、ここまでが設置率5割を超えている。最も設置率が低いのが、佐賀県の0.4%で、次いで鹿児島県と沖縄県の1.6%となっている。ちなみに北海道は9.1%だ。

 

自治体によって設置率の差は激しいが、こうした格差が生まれている背景について文科相の担当者はこう話す。

 

「理由は大きく3つあります。

 

まず、補助金は出してはいますが、設置には各自治体の持ち出し分も発生しますので、財政的な予算の問題です。

 

次に昭和40年代、50年代に作られた学校が多いので、老朽化が進んでおり、その対応をしなければいけません。建築基準法や消防法、バリアフリー法などに対応するような作りにしなければならないことで、クーラー設置よりも改修作業を優先しているという事情もあります。

 

もう一つは、少子化で学校統廃合が進んでおり、廃校するかもしれない学校の体育館には無駄になってしまうかもしれないためクーラーを設置できないという理由もあります」

 

担当者によれば、現在体育館へのクーラー設置については、事業費の半分(上限額は電気式の場合は1.1億円、ガス式の場合は1.4億円)を文科省が「学校施設環境改善交付金」として自治体に出し、さらに総務省が25%を交付で措置するため、自治体の負担は全体の25%ほどだという。

 

今後の設置計画についてはこう話す。

 

「2025年7月に閣議決定した『第1次国土強靭化実施中期計画』では、避難所等にもなる公立小中学校の体育館等の空調設備の設置率については、2035年度までに100%にする目標を掲げています。全国の小中学校の95%が避難所指定されています。その避難所に指定されている学校の体育館と武道場すべてにクーラーを2035年度までに設置するということです。北海道も今は暑いですから、急いで設置しなければ、という状況に変わっています。

 

政府は、2024年度の補正予算で、小中学校体育館へのクーラー設置のスピードをそれまでの2倍のスピードに加速することを決め、実際の設置工事は2025年度から加速させている自治体が多いです」(同前)

 

実際、2025年5月1日から2026年5月1日までの1年間で、大分県は9.4%から39.4%と大幅にアップし、熊本県も12.9%から20.9%と伸びた。

 

今や避難所でのクーラーの有無は死活問題だ。スポットクーラーに頼らなくてもいいように、整備を早急に進める必要がある。

 

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出典元:

WEB女性自身

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