「ロケをしたビルが、のちの本物の湾岸署(東京湾岸警察署)になったんじゃないかな。お台場も空き地が多くて、街がまだできあがってなくて。移動手段も電車はゆりかもめしかなくて、新橋の駅の切符売り場も混んでいて、ずーっと並んで切符買ってたよね」
そう振り返るのは、お笑い芸人のつぶやきシローさん(55)。
『踊る大捜査線 N.E.W.メトロポリスを駆け抜けろ』が9月18日に公開された。織田裕二さん(58)演じる青島俊作刑事が14年ぶりにスクリーンに戻ってくるとして話題になっている。
本誌では『踊る大捜査線』シリーズの作品に出演して、現在は一風変わった経歴を歩んでいる人を取材した。
つぶやきさんは、『踊る大捜査線』(1997年)の第9話に、2浪して臨んだ大学受験に全部落ち、“飼っていた”たまごっちも死んだことを悲観して自殺未遂を起こし、湾岸署の青島と和久(いかりや長介さん)に保護される青年役で出演していた。
当時、栃木なまりのネガティブな「あるあるネタ」がブレイク中で、つぶやきさんにとってドラマ出演は2作目だったという。
「織田さんは、撮影が1カット終わる度に、すごいスピードでモニターまで走っていって、お芝居をチェックされていて。『もう一回やらせてください』と、すごく納得しながら演じられていて。
ドラマが初めてに近い僕は、撮影ってそういうものなんだと思って、それから僕も織田さんの真似をしたりして、カットがかかるとモニターに走っていってたの。
でもね、あるとき僕は行かなくていいと気づいたの。それは織田さんが主役だから行くわけであって。ちょっとの出演で『もう一回やらせてください』なんて、僕ごときが言えない、言えない」
と、つぶやき節は健在だ。当時はピンのお笑い芸人という立場だったが、今ではつぶやきさんは芸人以外にも作家、役者、ナレーターの顔を持っている。
