《ショートスリーパーを自称していたが、実は短時間睡眠ではなかった》
最近、短時間睡眠を謳っていたYouTuberが、イベントで実態との食い違いを指摘され、SNSで疑問の声が上がった。その後、そのYouTuberの肩書から「ショートスリーパー」の表記が消えたが、このように、極端なライフスタイルをめぐる発信では、その実態や根拠が問われることがある。
一方、1日1杯の青汁を中心とする食生活を31年間続けていると語る「スモールイーター」がいる。
大阪府八尾市で鍼灸院を営む森美智代さん(63)だ。
「青汁はケールを基本に季節の野菜を約5種類ほど150g前後で作って、約150ccを1日1杯飲みます。忙しいときは朝を飲まないで、空いている時間に飲む感じです」
森さんは自らの食生活をこう明かす。自家栽培の野菜をジューサーで作る青汁のほかは、ビール酵母などの整腸剤やビタミンCのサプリメント、そして柿の葉茶と生水を1.5~2リットル摂取するのみだという。
自家製青汁は50キロカロリー。これで健康を維持できるのだろうか。森さんがこう続ける。
「現代の医学では不思議とされますが、いたって健康です。身長154センチで、体重は60キロぐらい……。というか、バネ式の体重計から電子式に変えたら、なぜか体重が測れなくなってしまい……。
でも、青汁だけの生活でも20年前には体重が47キロでしたから、ちょっと増えましたね」(森さん、以下同)
彼女がこの極端な食生活を始めたのは21歳のとき。1万人にひとりとされる、運動をつかさどる小脳が萎縮して次第に身体の自由が失われる「脊髄小脳変性症」という難病に侵され、余命5年の宣告を受けた。
そんな森さんが出会ったのが、完治が難しいとされる難病に対し、独自の断食(少食)療法や生菜食療法を実践していた医師・医学博士の故・甲田光雄氏(享年84)だった。
森さんによると、甲田医師の指導のもとで徐々に食事量を減らしたところ、脊髄小脳変性症の症状が消えていったという。現在も症状はなく、体力の衰えも感じていないと話す。
「家がある三重県から大阪府八尾市の治療院まで、電車で約1時間半かけて通勤しています。休みの日にはワークショップや往診に行ったり、畑で野菜を育てたりしていますね」
森さんは現在の生活リズムについてこう語る。11月22日には東京ビッグサイトで開催される「癒しフェア2026」にも出演し、神代から伝わるとされる龍体文字に関するワークショップを行う予定だという。
森さんは、限られた摂取量で活動を続けられる理由について、自身の腸内環境が関係しているのではないかと考えている。
「理化学研究所の腸の研究者に調べてもらったところ、私の腸内細菌は一般の人より嫌気性菌がかなり多く、草食動物に近い細菌構成になっているそうです。牛や馬のように、草のセルロースや繊維を分解して栄養に変える菌もいるらしいんです」
森さんは極端な食事制限を安易にまねしないよう警鐘を鳴らしている。必要な栄養量や健康への影響は個人によって異なるため、この食生活は、一般的な健康法として捉えるべきではないようだ。
「それでも、なるべく少食にしたらいいと思います。とくに甘いものは脳の炎症やうつの原因になりえますからね。嫌な仕事は避けてストレスを減らし、飽食の時代だからこそ、引き算の発想で食事をコントロールすることが大切だと思います」
そんな森さんに、「人生最後の晩餐には何を食べたいか?」と聞いてみた。
「最後も青汁ですね(笑)。病気になる前より肉体的にも精神的にも快調ですからね」
その柔らかな笑顔に触れると、森さんの食生活への驚きとともに、私たち自身の食生活や健康についても、少し立ち止まって考えてみたくなる。
画像ページ >【写真あり】青汁だけでも体重が20年で47kg→60kgに増えた(他2枚)
