自らの発言で進退問題を招いた簗大臣(撮影:長谷川新) 画像を見る

「政治的な圧力ないし介入だったとしか考えられません」

 

そう語るのは、元文部科学事務次官の前川喜平氏(71)だ。簗和生農林水産大臣(47)による道路予算への介入疑惑が波紋を広げている。政治部記者が経緯を説明する。

 

「今年5月、簗氏は地元の自民党支部の会合で、2月の衆院選で自身を応援しなかった首長がいる栃木県那須烏山市と那珂川町について、『本年度の道路予算は大幅にカットした』と発言したことが週刊誌で報じられました。実際に、両市町が実施する道路事業への交付金は前年度より減額されています。さらに、簗氏が衆院選直後の2月中旬、国土交通省の佐々木紀副大臣と黒田昌義官房長(いずれも当時)に、両市町の予算配分を問い合わせていたことも明らかになりました」

 

簗氏は「自分の中でも高揚感みたいなものがあって、その中で少し誇張したような表現をしてしまった」と釈明。発言を撤回、謝罪し、予算削減の働きかけは否定している。

 

しかし、前川氏は「2月中旬」という時期に注目する。

 

「各省庁とも交付金の具体的な配分を検討している時期です。国会で予算が成立するまでの間に、配分案を決定します。つまり、政治的に介入するには絶好の時期なんです」

 

単なる問い合わせなら、回答は「まだ決まっていません」としかならないという。

 

「予算が成立すれば自治体には通知が行くわけですから、問い合わせる意味がない。だから、政治的な圧力ないし介入だったとしか考えられません」

 

■「覚えていないくらいだから圧力はなかった」という国交省

 

一方、国交省は10月6日の記者会見で、簗氏から問い合わせがあったことは認めたものの、当時対応した黒田氏は「細かいメモがなく、はっきりと覚えていない」と説明していることを明らかにした。

 

さらに、圧力や働きかけがあったのかを問われると、担当者は「はっきり覚えていないくらいなので、働きかけや圧力を受けたことはなかったと思います」と回答した。これに前川氏は強い疑問を呈する。

 

「まず、あり得ないですね。何らかのメモを作って、忘れないようにするんですよ」

 

前川氏自身、文科省で官房長を務めていたころ、国会議員から頻繁に呼び出されていたという。

 

「各省には国会議員との連絡役として、国会に常駐する職員がいます。私もよく呼び出されましたが、一人では行かない。普通は職員が同行し、議員の発言をメモするんです」

 

官房長が受けた要望は担当局長に伝えられる。その際も、正確に伝えるため文書にするのが通常だという。

 

「今回は予算を『減らせ』という異例の要求が疑われています。それが事実だったとしたら、官房長や局長が自分たちだけで判断するのは危険だと考えたでしょう。おそらく次官や大臣にも相談したと思います。これは私の推測ですが、大臣に説明した文書やメモも残っていると思います」

 

官僚には、自らの責任を問われないよう、意思決定の経緯を記録に残そうとする意識が働くという。

 

出典元:

WEB女性自身

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