政府が集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更を閣議決定した7月1日夜、首相官邸前に集まった人たちは「子どもを戦場に送るな〜!」と悲痛な叫び声をあげていた。

 

行使容認に反対する抗議デモには20〜30代の若者、子どもを連れた母親の姿も少なくない。前日夕方から行われた4万人にのぼるデモに参加した直木賞作家の中島京子さんが語る。

 

「他国の戦争やテロに巻き込まれる可能性の高いことを、閣議決定という国務大臣だけの会議で、しかも憲法をないがしろにしてまでしようとしていること。そして安倍首相が嘘をついてまで拙速に決めたことなど、次々と許しがたいことが起き、抗議の声をあげてこようと思いました。デモには学生や女性が多かったのが印象的。危機感をもって訴えていた姿に心打たれました」

 

中島さんの代表作で映画化された小説『小さいおうち』は、昭和初期から戦況が悪化していくなかでの物語。

 

「当時の人たちも、戦争につながる重要な政府の決定や事件も、日々の生活に追われ関心をあまり持ちませんでした。そして気づかないうちに戦争が泥沼化していき、後戻りができなくなってしまいました。この状況と今の空気感が似ていてとても心配です。これまでの過去の戦争でも集団的自衛権という名のもとに正当化され、多くの若者や子どもたちの命が失われてきました。そんな恐ろしい集団的自衛権を近い将来、日本も行使するかもしれません。これから私たちに何ができるか、試されています」