雅子さまを16年も苦しめたお世継ぎ批判「いまならマタハラ」

即位の礼を無事に終えられた雅子さま。皇后になられてからは、ご回復が目覚ましく、活躍されていらっしゃるが、これまでなぜ16年間も苦しまなければならなかったのか。皇室に詳しい2人の識者が語り合った(司会:皇室ジャーナリスト・近重幸哉さん)。

 

近重 雅子さまが新皇后となられて5カ月が過ぎました。『女性の品格』などのエッセイでおなじみ昭和女子大学理事長・総長、坂東眞理子さんと、精神科医で本誌の皇室記事にコメントしている香山リカさんに、雅子さまについて語り合っていただきます。まず、最近の雅子さまのご様子をお2人はどう見ていますか。

 

坂東眞理子(以下、坂東) 雅子さまは、本当に生き生きと回復されていて、とてもよかったと思っている人が圧倒的に多いと思います。

 

香山リカ(以下、香山) 私は、雅子さまの回復には、“助走期間”があったと思うんです。上皇陛下は、退位のご意向が報道される前に、そのお考えをお子さまたちにお伝えしていたことでしょう。それを、ご自分が皇后になることとして、雅子さまが受け入れられた時点で、はっきり気持ちが決まっていらしたことと思います。その助走期間で、ご自分でも計画を立てられてきて、「このころまでには、これをやる」というステップを満足にこなされることができていたのではないでしょうか。

 

近重 坂東さんはハーバード大学に留学体験を持っています。同じ体験を持つ雅子さまは、なぜ16年も苦しまなければならなかったのでしょう。

 

坂東 私がハーバード大学に留学していたころ、ちょうど雅子さまはベルモント・ハイスクールにいらして、直接お目にかかる機会はありませんでしたが、当時の日本人コミュニティのなかで、雅子さまは、とても能力の高い素晴らしい方だという噂は聞いていました。ただ、学校では非常に優秀だった女性たちが、能力を発揮しようというとき、日本の職場には“見えない壁”があるんです。

 

香山 天皇陛下は、本当に皇室を変えたいというご意思で、「あなたのような人が必要です」と、雅子さまを強く説得なさったのだと思います。おそらくご実家の小和田家のほうでも、「そこまで殿下がおっしゃってくださるんだから、きっとあなたの能力が必要とされているんだから」ということで、雅子さまは皇室に嫁がれたのでは……。ところが、皇室という場所では、やはり男子を産むことを最優先に求められたのだと思います。

 

坂東 ご自身が力を発揮なさりたいと思っていらした国際親善の場で、十分なチャンスを与えられない。一方で周囲から期待されている役割を果たしていらっしゃらないというプレッシャーは、想像を絶するものがあったと思います。

 

香山 当時は皇太子だった天皇陛下が「雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です」という発言をされて、話題になりましたが、当時はモラハラという概念は浸透していなかったので、「人格を尊重しない」というのも、どういうことか理解されなかった。だから「お世継ぎを産むということを成し遂げていないのに、人格がどうとか言われても」という批判の声が上がっていた。マタニティハラスメントの先駆ですよね。いまなら大変な問題ですよ。

 

坂東 最近になって、ようやく雅子さまは「お世継ぎを産むという期待には応えられなかったけど、それはそれで仕方がない」と、割り切られたのかもしれません。

 

香山 そうなのでしょうね。悠仁さまも誕生されて、あるいは、ご自身もそういう年齢でなくなっていらっしゃることで、そこはもうお考えにならなくてもいいということになった。世間の意識も変わって、お世継ぎが生まれないことを責めるという感覚は、なくなっていったように思えます。

 

坂東 グローバルに通用する、新しい時代の皇后という役割なら私は果たせる、という自信を持ち始められたのではと思いますね。

 

【坂東眞理子】
ばんどうまりこ:富山県生まれ。1969年、東京大学卒。内閣府男女共同参画局長等を経て、現在、昭和女子大学理事長・総長。『70歳のたしなみ』など著書多数。

 

【香山リカ】
かやまりか:1960年、札幌市生まれ。東京医科大学卒。精神科医として臨床を続けながら、立教大学現代心理学部教授を務める。著書に『皇室女子』など。

 

『女性自身』皇室SPECIAL即位記念号「雅子さま 輝く笑顔が時代をひらく!」より

 

 

『女性自身』皇室SPECIAL即位記念号「雅子さま 輝く笑顔が時代をひらく!」

発売日:10月15日(火)
発行:光文社
価格:500円(税抜き)
https://www.amazon.co.jp/dp/4334843417/

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