首都封鎖 独居老人に危機か…引きこもりで健康害す事例急増も
外出自粛で高齢者の発病リスクもあがるという(写真:時事通信)

「急激な感染拡大を受けて、東京都と官邸の間で外出自粛や娯楽施設の閉鎖を要請することができるロックダウンの実施が検討されているそうです。実施した場合、日常生活が大幅に制限されることとなり、経済的な損失は東京五輪の延期を上回るともいわれています」(全国紙・政治部記者)

 

にわかに現実味を帯びてきた、首都封鎖。実施した場合の打撃は経済面だけにとどまらない。昭和大学医学部特任教授・二木芳人さんは自宅にこもらざるをえなくなる子供たちの精神的苦痛を憂慮しているという。

 

「3月28日時点で、東京都で確認された感染者数は約360人です。しかしそれが1千人を超えるような事態になればロックダウンを実施せざるをえなくなるでしょう。当然、学校も休校が要請されますが、新学期が始まるこの時期に、登校できないという状況下で、お子さんたちはもちろん、親御さんたちもストレスをどんどんためていくことになります。また世界一の長寿国である日本ではお年寄りたちへのサポートももっと必要になってきます。感染が広がるなか、介護現場ではデイサービスなどの提供を休止する事業所が出ていますからね……」

 

東京都には一人暮らしで75歳以上の人々は60万人いるという。いわゆる“独居老人”たちにも命の危機が忍び寄っているのだ。NPO法人「医療ガバナンス研究所」理事長の上昌弘さんは、

 

「高齢者は孤立すると容易に健康を害します。東日本大震災が発生した後は、放射能の影響を避けるために多くの高齢者が自宅や屋内にひきこもりました。その結果、糖尿病が悪化したり、脳出血を起こしたりと、亡くなった方が急増したのです。コロナウイルスを怖がって病院に行っていない高齢者も増えていると思いますが、“家にこもる”という行動が命に関わることになるのです」

 

健康社会学者の河合薫さんも、

 

「3月に入ってから、地域交流館(※自治体のデイケアサービス施設で、比較的健康な高齢者が利用している)が、感染防止のために次々とクローズされています。そのため、誰とも話すことができずに自宅にいる高齢者も増えており、運動能力や認知機能が著しく悪化していくことを心配しています。“親にコロナをうつしたくないから”と、実家を訪ねることを遠慮しているお子さんたちも多いようですが、電話で会話をしたり、体操や散歩を勧めたりを心がけていただきたいと思います」

 

最後に前出の戸村智憲さんに首都封鎖を乗り切るための“心構え”を聞いた。

 

「毎日必ず換気をするなど、必要なことは多いですが、気をつけたいのは明るい気持ちを保ち、“免疫力を下げないこと”です。たとえ職場や学校に行けない日々であっても、“家族いっしょに楽しく過ごせる貴重な時間”と、思うようにすると良いのではないでしょうか」

 

東京都がロックダウンされたとき、その社会的・経済的影響は関東のみならず日本全国へも波及する。パニックにならず、不安に怯えず……、首都封鎖は私たち日本国民にとって、心の強さが試される事態となる――。

 

「女性自身」2020年4月14日号 掲載

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