緊急事態宣言延長を決めた安倍首相(写真:時事通信) 画像を見る

すでに日本国内でも600人以上の命を奪った新型コロナウイルス。発表されている死亡者の情報を調査すると、発症してから死亡までの日数では発症してから2~3週以内に死亡するケースが最も多かった。しかし、ここで注意すべきなのは、死亡後にコロナだと判明したケースだ。同様の死亡例が徐々に増えているという。

 

「4月上旬に都内の路上で倒れていた60代男性は、病院に運ばれた後に亡くなりました。救急隊員に『胸が痛い』と話していたことから、死後にPCR検査を行ったところ、コロナに感染していることがわかりました。微熱で自宅療養中に、突然急変して亡くなったケースもありました。さらに全国の警察が変死事案として取り扱った遺体をPCR検査したところ、コロナウイルスに感染していた事例がありました。このように前触れもなく、コロナで亡くなってしまう人が増えているんです」(医療ジャーナリスト)

 

こうした突然死には、肺炎以外の死因が大きく関わっている。ある大学病院の感染部門で働く看護師はこう語る。

 

「最近、コロナ感染後に心不全や脳梗塞を発症した患者さんが増えています。重篤化した人が回復するケースもまれにありますが、心不全や脳梗塞を併発し、重症化して助かるケースは非常に珍しいと言っていいでしょう」

 

急増する“コロナ合併症”による突然死。その一因となるのが、「血栓」だという。半蔵門病院顧問で、日本心臓病学会の初代理事長を務めたこともある坂本二哉医師は言う。

 

「自宅待機中や病院に搬送される途中で急に亡くなったケースは明らかに血栓が関係していると思います。コロナウイルスによって血管がダメージを受け、全身の血管で血栓ができやすくなったりするDIC(播種性血管内凝固症候群)が発生しているのでしょう。数多くの人はコロナの死因が肺にあると思っているでしょうが、心筋梗塞や脳梗塞なども起こしうるのです」

 

パークサイド脳神経外科クリニックの近藤新院長もこう指摘する。

 

「肺炎が起こると、炎症している箇所に体の水分が集中します。その結果、体内のその他の部位の水分が減少し、血液がドロドロになることで血栓が発生しやすくなります。また、どんな病気でもDICは起こりうるんですが、コロナは炎症発生面積が大きいので重症化した肺炎の方はほぼ助からないでしょう」

 

「女性自身」2020年5月26日号 掲載

【関連画像】

関連カテゴリー: