■中高年の再入院、死亡リスクが高くなる理由
また、論文ではAとBのグループを70歳以上と未満に分けて分析しているが、そこには衝撃の事実が……。
「退院後に再入院や死亡など何らかの障害が起こるリスク自体は70歳以上のグループが高かったです。ただ、再入院や死亡した69歳以下のグループでは、70歳以上と比較して新型コロナ感染者の比率が高かったんです。調査対象の平均年齢が65歳というのを見る限り、若者というよりは、中高年なのではないでしょうか」
英論文で明らかになった、高齢者より高い中高年の再入院リスク。その原因について、筋野院長はこう分析する。
「おそらく69歳以下といっても40歳以上や50?60代がメインだと思います。70歳以上の人は新型コロナ感染の有無にかかわらず、若い世代と比べて死亡率が上がります。もともと死亡リスクの高い高齢者よりも、感染していなければ元気でいられた中高年世代のほうが新型コロナによって相対的にリスクが高まるということだと思います」
回復後も油断できないコロナ後遺症の脅威。果たして、防ぐ方法はあるのだろうか。前出の筋野院長は言う。
「年齢に関係なく、生活習慣に気をつけることです。たとえば、糖尿の人は血糖のコントロールがよくない人が多い。ふだんから持病をしっかり治療しておくことが大切です。イギリスの論文では相対的にリスクが高まった40~60代の人が多いので、血糖値や血圧で引っかかるものがある人は特に気をつけてください」
感染防止策だけでなく、“なった後”も見据えてふだんの生活を見直す必要がありそうだ――。
「女性自身」2021年2月16日号 掲載
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