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天皇陛下は2月23日に、61歳の誕生日を迎えられる。

 

新型コロナウィルスの感染状況を鑑み、当日の一般参賀が見送られるなど祝賀行事は縮小されることとなった。菅義偉首相(72)ら三権の長から祝賀を受ける「祝賀の儀」は行われるが、飲食を伴う「宴会の儀」や「茶会の儀」は中止とされた。

 

新型コロナによって皇室の行事や生活も一変してしまったが、陛下が変わらず続けられている行事もある。陛下は即位されたことで、昭和天皇が始められた稲作を上皇陛下から引き継がれた。陛下は皇居内の水田で春から初夏にかけて種籾まきと田植えをされ、昨年9月に稲刈りをされたことで一連の作業を初めて終えられたのだ。

 

陛下は稲作作業を終えられた感想を文書で発表され、昨年の九州豪雨による被害や新型コロナの影響で苦境に立たされた農業従事者に向けて「御苦労もいかばかりかと思います」と労われた。そして「各地で収穫が無事に行われることを願っております」と綴られた。

 

我が国の農耕文化である稲作を引き継がれた陛下だが、若いころから日本酒好きでも知られている。’03年に山形県米沢市の酒造資料館「東光の酒蔵」を見学され、’18年には石川県珠洲市にある宗玄酒造を視察されたこともある。

 

そんな陛下の日本酒にまつわる“誕生日エピソード”がある。陛下は学習院大学卒業後、’83年に英国オックスフォード大学マートンカレッジに留学された。‘84年2月にロンドン・日本大使公邸で24歳の誕生日を目前に開かれた会見では、充実した留学生活ぶりをこのように語られた。

 

「寮の自分の部屋に日本酒をおいていますが、昨年に比べるとずっと減りが激しいんです。今学期は前学期以上に学友が集まって楽しく過ごしています」

 

留学先で誕生日を迎えられた陛下は、寮の2部屋を使ってご自身の誕生パーティーを開き、20人ほどのご学友を招いたという。

 

「陛下は日本食や日本酒といった“日本文化”でご学友をもてなされました。英国では日本酒を温める機械がなかったので、陛下は機転を利かせてコーヒーメーカーで燗をつけたといいます。陛下が振る舞われた日本酒は彼らに大変喜ばれたようで、陛下も『翌日二日酔いになりました』と笑いながら回想されていました」(前出・皇室担当記者)

 

当時、「ヨーロッパから日本を見つめてみたい」という志を抱かれて留学された陛下。’85年11月の帰国直後に行われた会見では、英国の学生たちとの交流について、「日本について色々聞かれまして、日本文化について深い質問もありましたし、その素晴らしさを学生を通じて再認識できたことは非常に良かった」と語られた。

 

英国でご学友と日本酒を酌み交わした経験は、陛下にとってかけがえのない思い出のひとつだろう。

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