自宅で使えて重症化予防…「コロナ飲み薬」がもたらすメリット
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■飲み薬の処方もまずは重症化リスクのある人に

 

山田先生が慎重な姿勢を崩さないのは、メルクの飲み薬には未知の部分が多いことが理由だという。

 

「数万人規模で臨床試験を行って安全性を確認したコロナワクチンと異なり、775人の調査だけではまれな副作用がどう出るかまったく見えてきません。とくにこの薬は、ウイルスが増える際に、遺伝子を複製するRNAに類似体を取り込ませて複製エラーをさせて、増殖を抑えるメカニズム。脅威になるような変異ウイルスを促進する懸念も、今後何万人と使用していくなかで起きないとも限りません。これから蓄積するデータを注意深く見ていくことが重要です」

 

さらに、使いやすい飲み薬なだけに、注意が必要なこともある。

 

「重症化リスクの低い人や若い人が“念のために飲んでおきたい”といってこの飲み薬が多用されるようになると、無駄に副作用を負う人が出てくる可能性もある。実際、たとえば40〜50代の女性で持病のない人ならば、この薬にお世話になることは今のところほぼないと考えていいでしょう」

 

国内で使われるようになっても、処方は当面は高齢者や基礎疾患がある重症化リスクの高い人に限られるようだ。しかし飲み薬の登場は、このコロナ禍を乗り越える大きな一歩になることは間違いない。

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