高齢者と喫煙者は半年で抗体激減…3回目ワクチンを前倒しで打つべき人
画像を見る 12月1日からは医療従事者を対象に3回目接種がスタート。年明けには高齢者の接種も開始される

 

■抗体価減少と第6波が重なる危険性も

 

また、喫煙者も抗体価が低いという傾向が。

 

「喫煙者は非喫煙者に比べて2回目接種から半年後の抗体価が低値になることが判明しました。たばこの影響で、免疫力が低下するためと考えられます」(杉山先生)

 

抗体価が下がった時期に第6波が重なると、再び重症者が増えることが懸念される。

 

「抗体価の減少ペースを考えると、高齢者や喫煙者は2回目のワクチン接種から6カ月以上たつと感染や重症化リスクが高くなる可能性があります。

 

現在は2回目接種から8カ月以降が原則ですが、6月までに2回目の接種を済ませた高齢者は今すぐにでも接種したいところです。肥満の方もコロナ感染による重症化リスクが高いため、できれば早めの接種がよいでしょう」(杉山先生)

 

3回目接種のメリットを、ウイルス学が専門の埼玉医科大学の松井政則准教授はこう語る。

 

「ワクチンを1回接種すると、新型コロナウイルスから身を守る抗体を産生する“工場”が体内で作られます。2回目の接種はいわば工場に投入する“燃料”にあたり、抗体をどんどん増産します。ところが時間の経過とともに抗体の量は減少。しかし、ブースター接種で燃料を補給すれば抗体価が再上昇し、感染や重症化のリスクを下げることができるのです」

 

全人口の4割以上が3回目のワクチン接種を終えている“ワクチン先進国”のイスラエルでは、ブースター接種によって、重症化予防効果は92%になったとの研究報告もある。

 

では、私たちは「いつ」「どの」ワクチンを打つことになるのだろうか? それを示したのが画像のチャートだ。

 

 

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