誤った基準で補償がゼロに…脳性麻痺児の母が救済訴える
画像を見る 「親の会」ミーティングの様子。会には120人ほど所属している

 

■「自分たちがいなくなった後の子供のことが心配」

 

いっぽう、彼女たちは「お金を作りたくても働けない」という現実に直面してきた。障害児育児は、そうでない子供を育てることの何倍もの時間と労力を消費するからだ。

 

「今年から特別支援学校の1年生なんですが、医療的ケア児(生活のなかで人工呼吸器による呼吸管理などの医療行為を受けることが欠かせない児童)なので看護師のいないバスに乗ることができません。いまは片道1時間、往復2時間もの時間をかけて送り迎えしています。それに子供が入院すると私も病院を離れられないので、仕事に時間を割くことができません」(Aさん)

 

「子供が0歳の時、保育園に受かりました。でも、障害を理由に預けることができなくなってしまって……。いまはデイサービスを利用しながら、可能な範囲で働いています。フルタイムで働くことはまず無理ですね。生活保護を受けている家庭もあるくらいです」(Sさん)

 

「子供の障害が重ければ重いほどお金が必要なのに、仕事を諦めざるを得ない。一番の経済的な負担は、『仕事に就けないという状態』なんです」(中西さん)

 

中西さんたちは「対象外になった脳性麻痺児家庭に救済を」と訴える。その要望について、多くの医療過誤訴訟を担当してきた弁護士・堀康司氏はこう語る。

 

「これまで私はこの制度に対して、訴訟を減らすための制度ではなく、脳性麻痺のお子さんやそのご家庭を支える制度であるべきだと指摘してきました。同様の麻痺があっても出生週数などで扱いが区別されるため、脳性麻痺児を抱える家庭を分断する結果を生んでいます。

 

少なくとも、28週から32週で出生した子を区別してきた基準が医学的に不合理だったのですから、過去に行った区別の是正策も新たに検討されるべきです。

 

この制度の財政には余裕があるといいます。不合理な排除を受けた子と家族の境遇に対する十分な想像力をもって、制度の運営にあたっていただきたいと思います」

 

中西さんたちは来週12月24日、厚生労働省の副大臣に要望書を提出する予定だ。

 

「親としては自分たちがいなくなった後の子供のことを心配しています。重度の障害を持っている子でも、蓄えがあれば将来の選択肢を増やしてあげることができるかもしれない。そのために行動するのは、自然なことではないでしょうか」(中西さん)

出典元:

WEB女性自身

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