弟の遺骨に手をあわせる高田かおりさん 画像を見る

昨年8月、「自宅放置死遺族会」の共同代表の高田かおりさん(47)は、たったひとりの肉親である弟の竹内善彦さん(当時43)をコロナで亡くした。

 

「8月10日に警察から『弟さんが他界されました』と連絡があって。私は信じられずに『なにかの間違いです』と答えてしまいました」

 

高田さんは大阪在住。一方、善彦さんは10年前から大好きな沖縄で居酒屋を営んでいたという。父は数年前に他界、母も昨年5月に亡くなった。母の葬儀で会ったのが最後となった。コロナ禍で営業自粛が続いていたが、その間も「新たなメニューを考えて再開できたらがんばる」と語っていたという弟の突然の死。高田さんは、那覇市の保健所から受けた説明に疑問を持っている。

 

「弟は7月27日に発症した、と説明されました。弟が県の相談窓口に症状を訴えた記録があるから、と。しかし、弟が検査を受けられたのは、発症から8日後の8月4日になってからなんです」

 

当時、沖縄では連日、新規感染者数が最多を更新していた。ひっ迫していて、検査を待たされたのだろうか。検査翌日の5日夜に、善彦さんに陽性が伝えられた。

 

「しかし、保険所が6日と7日に弟に電話したがつながらなかったそうです。8日に自宅を訪問したところ、居間で亡くなっているのを発見した、と説明されました」

 

製造日が6日のコンビニ弁当が、手つかずで腐っていたという。「弟は、どれほど不安だったか」。そう言って高田さんは涙ぐんだ。

 

「保健所の方を責めたいわけじゃない。でも、もっと早く検査や診察が受けられていれば……。行政には、この教訓を生かしてほしかったのですが」

 

昨年9月、高田さんは、自分のように第五波で家族を“自宅放置死”で亡くした遺族とともに、「自宅放置死遺族会」を立ち上げた。現在5家族が参加している。

 

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