「1日3回解熱剤の乱用」で肺炎見落とし…コロナ自宅療養のNG行動8
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■喉スプレーで喉の痛みが悪化する場合も…

 

【4】むやみに総合感冒薬や咳止めを飲む

 

自宅療養が推奨されるなか、総合感冒薬を服用する人もいるが、それも避けたほうがいという。

 

「風邪の場合も同じですが“速効”とか“最強処方”などのうたい文句で販売されている総合感冒薬には、あらゆる症状を抑え込むために、医師は処方しないような組み合わせの強い成分が入っています。もちろん解熱成分も入っていますから、一時的に症状が抑えられたように見えても、根本的にウイルスが消失しているわけではないため症状の悪化を見逃してしまうリスクがあるのです」

 

つらい咳を止めたい、という場合も同様だ。

 

「咳をすることで、痰が出やすくなるという効果もあります。痰を外に出すというのは、体内の悪いものを外に出そうとする防御反応なので、あまり早い段階で無理に咳を止めないほうがいいのです」

 

発熱も咳も体の防御反応。無理に止めると治りが悪くなるのだ。

 

【5】喉スプレーをする

 

オミクロン株で多いとされる喉の痛み。つい喉スプレーをシュッとしたくなるが、逆効果になることもあるという。

 

「イソジンなど、市販の喉スプレーやうがい薬に入っているのは、多くの場合消毒成分です。喉が腫れて痛いときに使うと患部に染みるので、効いているように思いがちですが、かえって喉粘膜を傷めてしまいかねません。甲状腺機能にも影響を与える可能性があり注意を要します。喉の痛みがひどい場合は、水でうがいを」

 

【6】持病があるのにスポーツドリンクやフルーツジュースを飲む

 

コロナに罹患したさい、スポーツドリンクや、フルーツジュースなどを好んで取る人も多い。コロナでも風邪でも、発熱時には、とにかく水分補給が第一なのは確かだ。しかし、次のような持病がある場合、避けたほうがいいものも。

 

「スポーツドリンクは飲みやすいのですが、糖分が多く含まれているので、糖尿病の持病がある方は避けたほうがいいでしょう」

 

また、日ごろの健康診断で、「カリウム値が高い」と言われている人や、腎臓病がある人が避けたいのがフルーツジュースだ。

 

「腎機能が低下している人が、カリウムが多く含まれているフルーツジュースなどばかり取っていると、高カリウム血症になる可能性があります」

 

不整脈を引き起こすこともある高カリウム血症。該当する人の水分補給は、白湯の方が安心だ。

 

【7】呼吸が苦しいときに平らな布団で寝る

 

「呼吸が苦しい場合は、上半身を少し起こしたほうがラクになりますよ。また、寝返りを打つなどして体位を変えることで痰が出やすくなるので、意識して寝ている向きを変えるようにしましょう」

 

【8】体調が優れないのに7日間の隔離期間後に出歩く

 

怖いのは、7日間の隔離期間が終了したからといって完治しているとは限らないことだ。

 

「前出の肺炎で入院した患者さんのように、薬で熱を抑えていただけということもあります。そもそも、従来の10日間から7日間に隔離期間が短縮されたのは、社会生活に影響が出るからという“大人の事情”。ウイルスが消失するというエビデンスに基づくものではありません。体調が優れない場合は、無理せず休むようにしましょう」

 

正しい知識を身に付けて、自分の体の声を聞きながら療養することで、早期回復を目指そう!

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