《世の中、怖い》
《ほんまに笑えない!!》
SNS上での悪質な迷惑動画が後を絶たない――。今年1月ごろから回転寿司チェーンを中心とした“飲食店テロ”を収めた動画が拡散し、経済活動を揺るがす大きな社会問題に発展したばかり。2月に客が醤油差しを舐める動画が拡散した「くら寿司」は、警察に被害届けを出したことで動画撮影に関わった犯人たちの逮捕に至った。
しかし、犯罪の可能性を孕む迷惑動画は途絶えるどころか、“新種”が生み出されエスカレートする始末。なかでも最近では、おもちゃの“ピコピコハンマー”で通行人などを叩く動画が複数拡散され、波紋が広がっているのだ。
一例を挙げると、夜道を1人で歩く通行人をターゲットに、背後から若い男性が笑いながら走って追いかける。ピコピコハンマーで通行人の頭を殴打すると、若い男性はそのまま走って逃げていってしまった。
他にも、ピコピコハンマーで高齢者の男性を殴ったとされる少年が、殴った後も高齢者を挑発し激怒させるという動画も拡散している。別の動画では、若い男性が商業施設と思しき場所で、エレベーターを待つ年配女性の頭部を背後から打って立ち去る様子を収めたものもあった。
そのためネット上では、冒頭の声のほかに対策強化を求める声が上がっている。
《頼む、取り締まってくれ》
《まじ捕まれよ これは本当に害でしかない見てて辛い》
《ピコピコハンマーなら大丈夫とでも思ってるのか? 立派な暴行罪では?》
「これらはInstagramのストーリーに投稿された動画で、4月下旬ごろに迷惑動画などを見つけて紹介する複数のインフルエンサーがTwitter上で取り上げたことで拡散しました。“寿司テロ”の時と同様に悪質な動画が絶えない背景には、こうしたインフルエンサーの存在も影響しているのかもしれません。
一方、“ピコピコハンマーで他人を殴る”といった動画は、ターゲットの人物に許可を得て撮影していた可能性もゼロではありません。しかし万が一、自分たちとは関係のない関係のない他人を故意に殴ったとすれば、罪に問われる可能性は十分にあり得ます。“バズり”や仲間内からの注目欲しさにやったのかもしれませんが、分別や想像力が欠けているでしょう。まず、人を殴ることは絶対に許されない行為だと自覚すべきですし、ましてやその様子を撮影してSNSに投稿するなんてもってのほかです」(WEBメディア記者)
おもちゃのハンマーだとしても、人を殴る行為はトラブルに発展しかねない。悪ふざけでは通用しないと認識し、立ち止まることを願うばかりだ。