川崎市「風の谷の幼稚園」子供本位の教育にかける天野優子園長の情熱
画像を見る 「私は昔ながらの大切なことを教えているだけ。それを放置したために今の何でも他人のせいにする世の中にしてしまった」と語る天野園長

 

■たまたま20年ぶりに卒園した女性が訪れて。風の谷は確かに「心のふるさと」になった

 

園長のインタビューの途中で、思いがけない来客があった。町田市在住の下枝未来さん(22)は、風の谷の卒園生。この日、たまたま近くに来たついでに立ち寄ったという。

 

「ほぼ20年ぶりです。天野先生、私のこと覚えてますか。泣き虫のあのミクです(笑)」
「今は、もうお勤めなの」
「有料老人ホームで介護職員をしています」
「大変なお仕事でしょうね」
「つらいこともありますが、この風の谷で忍耐力がついたかな。社会の大抵のことは、あのじゃがいも掘りに比べたら、ましです! あっ、あの滑り台、懐かしい」

 

年少さんに戻ったように、滑り台へ駆け寄っていく未来さん。天野園長が風の谷を作ったときからの、みんなの「心のふるさと」にしたいという願いは、しっかり実現されていた。

 

【後編】風の谷の熱血園長 親子の体温、子供の責任感を信念に理想の幼児教育を根付かせた25年の奮闘へ続く

 

※風の谷幼稚園の長編ドキュメンタリー映画『時代遅れの最先端』(五十嵐匠監督)は10月に東京の「ポレポレ東中野」にて上映予定

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