「俺死ぬのかな」悲痛な声…中東情勢悪化の“ナフサ不足”で医療現場は悲鳴、透析患者に“命の危機”
画像を見る 高市首相はいつまでトランプ大統領に媚び続ける?(写真:時事通信)

 

■物価高騰で閉鎖に追い込まれる病院が続出

 

供給不足に伴う価格高騰も大きな問題となっている。

 

いとう王子神谷内科外科クリニック院長の伊藤博道さんは「この数週間で、注射に使うチューブや手袋などが1.8~2倍に値上がりした」と頭を抱える。

 

「保険診療なので、患者さんに価格を上乗せできません。1日10~20人に点滴を行うと、それだけで月に20万?25万円ほど負担が増えます。このままでは、点滴はできませんという医療機関も増えてくるのでは」

 

前出の上さんも「医療機関の多くは日常的に赤字を抱えているため、今回の物価高騰で閉鎖に追い込まれる病院が続出する」と警鐘を鳴らす。

 

「そうなれば、透析患者のみならず、多くの人の命が危険にさらされかねません」(上さん)

 

3月25日、医師や歯科医師が加盟する全国保険医団体連合会も、医療資材の確保と価格高騰への財政措置を求める要望書を政府に提出した。

 

こうした状況を受けて高市早苗首相(65)は3月29日、自身のXを更新。

 

「とりわけ医療関連の物資に関する不安のお声を伺っています」と切り出し、「中東からのナフサ輸入を他国からの調達に切り替えるべく取り組んでいる」「ただちに供給が滞ることはない」などとして理解を求めた。

 

しかし、これに対し「対応が遅すぎる」という声も少なくない。

 

「高市首相は3月30日、赤澤亮正経済産業大臣を『中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣』に任命しました。しかし、イラン戦争開始からすでに1カ月たっており、原油やナフサの調達も石油元売りに丸投げ、という批判が出ています」(前出の全国紙記者)

 

だが、「ナフサに関しては、石油元売り会社からも“打つ手なし”だと聞いています」と明かすのは、コネクトエネルギー合同会社CEOでエネルギー問題に詳しい境野春彦さん。

 

「資源エネルギー庁は3月末、中東以外からの4月調達分のナフサが、平常時の倍となる90万キロリットルを見込むことを明らかにしました。

 

一見、安心材料のように見えますが、到底足りません」

 

日本の月間ナフサ消費量は約300万キロリットル。3分の1にも満たないからだ。

 

「急に他国から調達しようとしても、世界的な争奪戦が起きているなかで確保するのは非常に難しい。今回のようなスポット購入も、毎回できるとは限りません」(境野さん)

 

国民の命を守るには、「中東から運んでくるしかない」という。

 

「イランの外相は、『日本船のホルムズ海峡通過を認める用意がある』としています。日本政府は今すぐ交渉すべきです。今出発しても日本到着まで40日かかる。待ったなしです」(境野さん)

 

イランと交渉すべきという声は、与野党議員からも出ている。

 

しかし、茂木敏充外務大臣は、3月に出演した報道番組のなかで、「日本だけ抜け駆けはできない」として交渉を否定している。

 

一方で、「タイ、マレーシア、インド、パキスタン、中国など、イランと交渉して通過したタンカーは何隻もある」と疑問を呈するのは中東の研究者で国際政治学者の高橋和夫さんだ。

 

「政府はトランプ大統領に遠慮しているのではないでしょうか。ですが、今後アメリカが手を引き、ホルムズ海峡をイランが管理する可能性もあります。そうなる前に交渉しておかないと、日本船が通過できなくなる恐れも否定できません」

 

国民の命をとるのか、トランプ大統領の顔色をうかがうのか。

 

高市首相には、早急な決断が求められている。

 

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