政府は自国の“メンツ”を守るために透析患者34万人の命を危険にさらすというのか(写真:共同通信) 画像を見る

「われわれはイランに対し、圧倒的な勝利を収めている。今後2~3週間、激しい攻撃を続ける。ホルムズ海峡を通じて石油を得ている国は、自分たちで取りに行くべき」

 

日本時間の4月2日、テレビ演説の中で、そう述べたドナルド・トランプ米大統領(79)。

 

中東情勢の先行きが不透明ななか、心配を募らせているのが透析患者だ。

 

「私は10年間透析で命をつないできましたが、“ナフサ”の輸入が止まって透析が受けられなくなるのでは、と不安でたまりません」(都内在住・60代女性)

 

この女性が言う“ナフサ”とは、原油を蒸留・分離したときに得られる石油製品。ナフサを加熱して得られるエチレンは、プラスチックの原料となり、身のまわりのあらゆるものに使われている。

 

「日本は、ナフサの約7割を中東から輸入しています。ところが、イスラエルとアメリカが仕掛けたイラン戦争により、エネルギー輸送の最重要拠点である中東の“ホルムズ海峡”の通航が困難に。ナフサの輸入が止まり、国内の化学メーカーは生産調整を余儀なくされています」(全国紙記者)

 

「とくに、医療資材のほとんどはナフサから作られている」と話すのは、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さん。こう続ける。

 

「医療現場は、注射器から点滴バッグ、手袋まであらゆるものが、ほぼすべてナフサ由来の使い捨て製品です。供給が止まると治療自体がストップしかねません。

 

とくに透析は、2~3日に1回行わないと命にかかわるので、ナフサ不足は致命的なんです」

 

人工透析では、患者の血液を体外に取り出して循環させるための透析回路をはじめ、取り除いた老廃物をためる廃液容器、輸液バッグなど、さまざまな医療資材が欠かせない。いずれもナフサを原料としたプラスチック製品で、衛生上の理由から使用後は廃棄する。

 

「ナフサの供給不足が続くと、緊急性の高い医療資材が、品目によっては4月半ばから夏にかけて不足する可能性があります」(前出の全国紙記者)

 

万が一、透析に必要な資材が欠品すれば、国内に約34万人いる透析患者の命に危険が及ぶ。

 

そのためSNS上では、《あぁ、俺死ぬのかな》といった悲痛な声が上がっているのだ。

 

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