■非営利性の重視で新規病院経営が難しくなる
全国自治体病院協議会が’24年度に自治体病院に行った経営状況調査では、自治体病院の86%が経常赤字だという結果だった。
「自治体病院ばかりの問題ではありません。物価上昇が顕著な大都市圏にある病院もダメージが大きい。2024年度のことですが、東京都内にある私立の単科医科大学8校のうち、6校が赤字に陥っているのです。
民間病院も同じ状況。経営悪化が予想されるため、老朽化する病院を建て替えず、自主的に閉院する“立ち去り型サボタージュ”が増えていくことが予想されます」
こうした問題を解決するためには、物価上昇に合わせた診療報酬の改定も視野に入れるべきだろう。
「また、医療に関連した企業の利益が、医療現場に還元されないことも問題。円安差益によって、2024年度の国内主要製薬会社10社の利益は、約2兆円と巨額なのです。
加えて、規制緩和も求められます。厚労省が“医療の非営利性”を重んじ、株式会社による新規病院経営のハードルが高い。しかしNTT東日本関東病院やJR東京総合病院、トヨタ記念病院などは、巨大企業が母体であるため、たとえ病院に赤字が出ても、さして問題になるレベルではありません。
規制を緩和して、ユニクロやソフトバンクといった大企業が病院経営をできれば、医療崩壊に歯止めをかける一助になるはずです」
全国で起こる“老朽化閉院”の危機を防ぐためにも、国主導の対策が求められる。
画像ページ >【一覧あり】「築40年以上の病棟がある病院の数と割合」都道府県別ランキング(他5枚)
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