■野菜は全体で3割程度の値上がりが予想される
異常気象による影響がすでに始まっていると話すのは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんだ。
「沖縄では台風や長雨の影響で夏野菜が高騰しています。ゴーヤの価格が4倍、オクラも値上がりしています。猛暑の影響は、トマトやきゅうりなど夏野菜の価格を押し上げそうです。全体で3割程度の値上がりが考えられます」
暑さに強い夏野菜も、多くが気温35度を超える日が続くと、成育不良や品質低下が起こりやすくなる。冷涼な気候を好むキャベツやレタスなども、結球不良を起こしやすい。2023年11~12月の農林水産省の価格調査では、玉ねぎ価格が395円/kgとなり平年比43%増と跳ね上がった。さらに、北海道産の不作によってピーク時は一時60%増の事態に。
心配なのは、米価格だ。また、コシヒカリ5kgが6千円台なんてことになる可能性は?
「高温と少雨によって不作になるかもしれませんが、値上がり幅は限定的だと思います。今は備蓄米も十分にあるので、過去のように在庫不足による過去最高価格を更新するようなことはないはずです」(柏木さん、以下同)
猛暑が長引いた場合、電力使用量が増え、生産コストが爆上がりするリスクも。
「牛や鶏は暑さに弱いため、大型ファンやミスト冷却などの設備を設けたり、長時間稼働させたりするなどの負担もあるでしょう。暑さ対策にかかるコスト増の影響も値上げの一因になりそうです」
世界の異常気象も、食卓に影響を及ぼす。ブラジルの干ばつでコーヒー価格が高騰。それを受け、缶コーヒーやカフェチェーンなどの値上げが相次いだ。
「影響が大きいのは、アメリカやカナダ産の小麦やトウモロコシなどの穀物。家畜の飼料代や小麦粉の価格が高騰することで、肉類や卵、牛乳に加え、チーズやバターなどの加工品、パンや麺類などまで値上げが広がる可能性があります」
スーパーエルニーニョによる海水温の上昇は、魚の生息環境を変化させ、漁獲量にも影を落とす。
「たとえばペルーではプランクトンが減少し、イワシの漁獲減少が過去に報告されていますから、今年も影響大。すでに、海水温の上昇による漁獲量減少が見込まれており、ブリやマダイなど養殖魚のエサに使うペルー産の魚粉が、前年比57%高という高騰が続いていると報道もあります」
