尖閣諸島の土地を日本政府が購入したという報道をきっかけに、中国各地に広がった反日デモ。日本車のディーラー店や日系スーパーなどは、略奪や放火の被害を受けた。デモは現在、沈静化をみているが「中国の『反日の暴走』は終わらない」と継承を鳴らす専門家もいる。日本への悪意が、デモとは異なる形で噴出する可能性もあるというのだ。

中国食品にも詳しい食品ジャーナリストの椎名玲さんが、問題点を指摘する。

「今後もっとも懸念されるのは、中国から輸入される食料品です。中国には日本のJAのような農作物を安全に管理、流通するシステムがない。ブローカーが全国の生産地や食品工場からかき集めている状態です。’08年の毒餃子事件以降、中国も管理を徹底するようになりましたが、反日意識の高い中国人が、日本向けの製品に毒物を混入するなど、第2の毒餃子事件が起こる可能性はあると思います」

中国人により毒物が混入された冷凍餃子が日本に輸出され、それを食べた10人が中毒症状を起こした事件は、中国でもネットの普及で全土に知れわたったという。それが不幸にも参考例となり、同じ方法を安易に真似る模倣犯が出てくる可能性があると椎名さんは言う。

「危険なのは、やはり冷凍餃子のような加工食品でしょう。毒餃子事件直後は、日本人スタッフを派遣するなどの対策が取られましたが、4年たった現在では監視の目も緩んでいます。悪意を持った従業員が食品工場で、またトラック運転手が流通過程などで毒物を混入することもできるのです。単独犯に限らず、共謀犯の可能性もあるでしょう」(椎名さん)

さらに危険なのは人間だけではなく、ペットフードもターゲットになりうるというのだ。

「人間が口にする食品より検査は緩いようですし、愛犬や愛猫が食べて異常が出ても、人間よりも原因究明に時間がかかるでしょう。また『人間よりペットに危害を加えたほうが逮捕されても罪が軽いだろう』と安易に考える者も出てくるかもしれません」(椎名さん)

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