連載第17回となる『中山秀征の語り合いたい人』。今回のゲストは、デビュー以来、心に寄り添う歌を届け続ける日本を代表する歌手、森山良子さん(66)。期せずして同じ道を歩むことになったご長男・森山直太朗さんら子どもたちを育てた、その子育て法とは?

中山「子育て法はどういうふうになさったんですか?」

森山「放任といえば放任ですね。ただ、運動会や保護者会のような行事には、ツアーで地方へ行っていてもなんとか帰ってきて参加していました。それから、お誕生日やクリスマスは絶対に仕事をいれず、一日いっしょに過ごしていました」

中山「子どもに寂しい思いをさせないように」

森山「はい。でも寂しかったと思います。いつもいっしょにいられない分、短い時間であれもこれもと、つい子どもたちを怒ってしまったりして。父に『良子ちゃん、子どもと同じ目の高さになって考えて話さないと駄目だよ』と言われて反省しました」

中山「子どもはできなくて当たり前ですもん」

森山「コンサートの前日は、『◎×□×◎!』なんて怒っては、すぐ『ララララ〜』なんて声の調子を整えたりして(笑)」

そう子育てを振りかえる森山さんが、自身で実践してきた「子どもの才能を伸ばす考え方」を教えてくれた。

【1.母子で語り合うことを大切に】
「子どもが“話したい”ときは明日何が控えていても徹底的に話します。いつも一緒にいられない分、限られた時間はしっかり向き合いました」

【2.どんなに忙しくても一緒の時間を作る】
「子どもに寂しい思いをさせないよう、一緒に過ごす時間をたくさん作りました。誕生日など特別な日は“一日中一緒にいる”と決めていましたね」

【3.友達が出入りしやすい家を作る】
「外だと子どもが何をして遊んでいるのかわからないので“外で遊ぶよりも家で遊んで”と。家の中は無礼講。子どもの友達とも対等です」

【4.応援しながら黙って見守る】
「子育ては、よくも悪くも“なるようにしかならない”。親ができることは、子どもを信じて、ただ黙って行く末を見守るだけ。口出しは無用です」

【5.自分で結論を出させる】
「親の目からは結果が見えているようなことでも、子どもが納得するまでやらせました。自分で結論を下すことで後悔なく次に進めるんだと思います」

関連カテゴリー:
関連タグ: