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「早くもファンにとって“聖地”となっているようで、石碑ができてから毎日手を合わせる方が訪れています。先日は北海道から、昨日は東京から。みんな『やっと手を合わせることができた』と話していますね」と語るのは、高倉健さん(享年83)の知人だ。

 

健さんが14年11月10日に亡くなってから早3年、福岡県中間市の小松山正覚寺に記念碑が建立された。健さんの一族を祀る菩提寺で、境内には両親が眠っている。そんなルーツとなる場所でファンが手を合わせられるようにと、親族が設置を進めてきたものだった。

 

4日に行われた除幕式には、健さんの実妹・森敏子さん(82)の姿もあった。4人きょうだいで唯一残された彼女は「みなさんや多くのファンに支えられて今日があると思っています」と感慨深げに語っていたという。

 

敏子さんが感無量だったのには、理由がある。健さんには、小田貴さん(53)という養女がいた。だが生前はまったく存在を知られていなかった彼女が、親族にも知らせないまま密葬を済ませてしまった。さらに彼女が遺骨を散骨してしまったため、敏子さんは心のよりどころがない状態でこの3年間を過ごしてきたのだった。

 

「健さんの生きた証が次々と消えていくなか、それでも敏子さんは毎日菩提寺へ通い手を合わせ続けてきました。今は1年のうち半年は、海外に住む娘たちのところにいるそうです。でも日本にいるときは、必ず通っています。敏子さんは『たしかに兄の遺骨はここにないかもしれない。でも、そんなこと関係ない。私は毎日ここで兄と話をしているから』と話していました」(健さんの知人)

 

敏子さんは記念碑ができたことを、とても喜んでいたという。

 

「記念碑の後ろ側には牡丹の花が6つ彫られています。これは、健さんの主演映画で主題歌にもなった『唐獅子牡丹』から着想を得たものだそうです。6つの花は両親と3人のきょうだいと江利チエミさん(享年45)との間で生まれなかった水子、そのもとで唐獅子である高倉健さんが眠るというモチーフです。敏子さんはこの絵柄を気に入ったようで『いい石碑でしょ』と笑っていました」(前出・健さんの知人)

 

石碑には「この地に眠る」という文字が刻まれている。それは、3年間鎮魂を続けてきた敏子さんの願いが込められた言葉だった――。

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