『風と共に去りぬ』の一幕 (写真:Album/アフロ) 画像を見る

1939年に米国公開された映画『風と共に去りぬ』。主演のヴィヴィアン・リーやクラーク・ゲーブルをはじめ出演者はほぼこの世を去っているが、健在な女優がいる。メラニー・ハミルトン役を務めたオリヴィア・デ・ハヴィランドだ。今も変わらぬ美しさを湛える往年の名女優が、1日に102歳の誕生日を迎えた。

 

デ・ハヴィランドは1916年、東京で誕生。両親は英国人で、父親が東京帝国大学の英語教授として招聘されていた。渡米後は舞台女優だった母親の薫陶を受け、高校では演劇部に所属。ミルズカレッジ在学中に脇役で参加した舞台『真夏の夜の夢』で演出家マックス・ラインハルトの目に止まり、主演に抜擢された。彼女の演技は高く評価され、同作はワーナー・ブラザースによって1935年に映画化。ここから映画女優としての輝かしいキャリアが始まった。

 

『ロビンフッドの冒険』『進め龍騎兵』など年に3~4本の映画に出演し、1939年『風と共に去りぬ』では、アカデミー助演女優賞にノミネート。このときは共演者に競り負けたが、1946年の『遙かなる我が子』、1949年の『女相続人』では主演女優賞を受賞したほか、数多くの映画賞に輝いた。

 

彼女の功績はスクリーンの中だけに留まらない。かつてハリウッド俳優は制作会社の言いなりになるしかなかったが、果敢にもワーナー・ブラザースを相手に訴訟を起こしたのだ。そして彼女は俳優の地位を大いに向上させる、通称「デ・ハヴィランド法」を成立させた。彼女が広く尊敬を集める所以である。2017年には大英帝国勲章を授与された。

 

『風と共に去りぬ』の存命キャストとして、今も話題に上ることが多いデ・ハヴィランド。だが取材はすべて固辞し、現在はパリで静かな暮らしを楽しんでいるという。

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