隣人との関係はいつでも悩みの種になり得る。米アラバマ州に住むランダ・ラグランドさんは、隣の住民から受け取ったという手紙をFacebookでシェアした。そこには、歯に衣着せぬ強い口調で、ラグランドさんが敷地内の整頓を怠っていることへの苦情が綴られていた。
「隣に住む人へ。お願いだから家の周りを片付けてください。あなたの家が目障りなぐらい汚いせいで、うちの売り出し価格まで下がってしまいます。誰があなたの家の近くに家を買いたいと思いますか。こんな景色を毎日見せられて。そんなに大変なことじゃないでしょ。気を使いなさい。努力して!」
ラグランドさんには敷地内を掃除したくとも、できない理由があった。彼女の4歳になる息子ジャクセンくんは自閉症で、通院や療育で慌ただしい日々を送っていた。それだけではなく、昨年秋にステージ4の神経芽細胞腫と診断されてしまった。それ以来、ラグランド家の最優先事項はジャクセンくんの治療となった。毎日が通院、訪問診療、入院をはじめとしたジャクセンくんの世話で過ぎていく。とても敷地の草むしりをする余裕などなかったのだ。
ラグランドさんはFacebookで「もしこれを受け取ったのが1年前なら腹を立てていたでしょう。でも、今は正直、こういうネガティブなことに関わるエネルギーは残っていないんです。手紙を送ってきた人もこの投稿を見るかもしれませんね。どちらにせよ、これが誰かの心に引っかかってくれたら、それで十分です」と綴った。
しかし、この投稿は「心にひっかかる」どころか、かなりの反響を呼んだ。手紙の無神経さに憤った人々が「正義のジャクセン軍」なるFacebookグループを作り、ラグランド家に手を差し伸べたのだ。
週末には30人がラグランド家を訪問し、家事や家屋のメンテナンスを無償で行った。驚くべきことに、この中に顔見知りの人は一人もいなかった。全くの他人でありながら、力になりたいと30人もの人が集まったことにジャクセンさんは喜色満面で「こんなことが起こるなんて、本当に素晴らしいわ。辛いことは一人で抱え込んでいてはいけませんね」とYAHOO LIFESTYLEにコメントした。