パクチー。本誌街頭調査で100人に聞いたところ、50%が「好き」と、「嫌い」の41%を上回った。そして「好き」という人は、ほぼ例外なく「大好き!」と答えた。巷は空前のパクチーブームなのである。

 

’14年ごろから、パクチー専門店が東京に相次いでオープンしている。ブームの先駆けは、’07年にオープンした「パクチーハウス東京」(東京・経堂)だろう。オーナーの佐谷恭さんに話を聞いた。

 

「パクチーの存在感はすごい。ただの葉っぱなのに話題になりやすいし、人を結びつけるツールにもなれる。SNSや口コミで噂が広がり、今では毎日予約で埋まるほど。特に女性の行動力に支えられています」

 

同店の客層は、その7割が女性客だという。クセが強い分、嫌われることも多かったパクチーが、なぜ専門店ができるほどの人気となったのか。そしてなぜ、そのファンの多くが女性なのか。先の本誌調査でも「嫌い」と答えたのは、圧倒的に男性が多かった。心理カウンセラーの根本裕幸さんはこう語る。

 

「女性のほうが、食に対してはチャレンジャーだといえます。男性は基本的に保守的な生き物。極端にいえば、男性はハンバーグとオムライスとカレーライスだけでも飽きない。変化を恐れ、子供時代からなじんだもの以外に臆病なところがあります」

 

ちなみに、食べ物の好き嫌いが多い人は、仕事や人間関係でもえり好みが激しく、頑固な傾向がある。好き嫌いが少ない人は、社交的で好奇心旺盛な傾向があるそう。

 

そして心理学的に、「好き」と「嫌い」のベクトルは違えど感情の動きのエネルギーは同じなのだという。

 

「嫌いになれるものはその分好きになれるし、好きになれるものはその分嫌いになれる。振り子の法則です。好きの反対は嫌いではなく無関心。食べ物にかぎらず、人間関係にも当てはまるので、旦那さんのことを嫌いと言っている奥さんはまだ大丈夫なんです。話題にもせず、無関心であるものを好きになることはないんですよ」

 

旦那はともかく、パクチーに無関心という人はあまり聞かない。嫌いな人が多い分、「好き」に転じる可能性を大いに秘めているということだ。

 

このパクチーブーム、今後もっと過熱するかも!?

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