「間違った美容法を信じて続け、効果が出ないと悩んでいる人はとても多いんですよ」

 

そう話すのは、美容皮膚科の先駆者として活躍してきた、よしき皮膚科クリニック銀座院長の吉木伸子先生。今月発売した新著『美容皮膚科医が教える あこがれ「美人」のつくりかた』(日本文芸社)では、医学的な根拠に基づいた美容の新常識を紹介している。そんな、間違って実践しがちな美容法とは?吉木先生に教えてもらった。

 

【間違い常識1】化粧水のあとに乳液でフタをする

「スキンケアでもっとも重要なのは保湿。そのために、化粧水でたっぷりと水分を補給するのが大事だと思っている人が多いようですが、そもそもそれが間違いです。実際は、体の奥から湧き上がってくる水分が、角層にある『セラミド』とよばれる物質と結合し、肌のうるおいになっています。よって、補うべきは水分ではなく、セラミド。これは最強の保湿成分ともいえるものですが、加齢によって減っていくので、外からの補給が必要になります」

 

【間違い常識2】朝は洗顔料は使わず、ぬるま湯のみで洗顔

「水分を守っているのはセラミドであって皮脂ではないので、洗顔したからといって乾燥肌になることはありません。それより、皮脂を残しておくと酸化によって過酸化脂質に変わり、肌の老化の原因になります。朝晩2回の洗顔で、きっちりと余分な皮脂を落としましょう」

 

【間違い常識3】毛穴の汚れは定期的に掃除すべき

「いくら毛穴の汚れを掃除しても、毛穴が小さくなることはありません。それどころか、肌を傷めることも。毛穴のケアには、『ビタミンC誘導体』が有効。皮脂を適度に抑え、コラーゲンを増やす働きがあり、毛穴の開き、たるみ防止に最適です」

 

【間違い常識4】高機能美白コスメがあれば日焼けもOK

「美白化粧品に大金を投じるより、千円の日傘を1本持ったほうが、紫外線対策としてはるかに有効です。これをしなければ、いくら美白コスメを使ったところで、焼け石に水です」

 

【間違い常識5】基本的にメークはしないほうが肌にいい

「メークの色素が沈着してシミになったりする心配はありません。目もとの黒ずみはアイメークの色素のせいと思う人がいますが、メークを落とす際の拭き取りの刺激が原因になっていることが多いんです。また、口紅も避ける人がいますが、むしろ塗ったほうがUVカットになり唇の黒ずみを防げます。ただし、グロスは荒れやすいので注意が必要です」

 

目からウロコの新常識……。巷にあふれる美容の情報の中から正しい知識を選び取ることが、美しさへの第一歩のようだ。

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