来年還暦を迎えるIKKOさん(59)と、昨年還暦を迎えた順天堂大学医学部・小林弘幸教授(60)は、加齢にもストレスにも負けないツヤツヤ美肌の持ち主。マスク生活でたるみ、乾燥肌が急増中のコロナ禍のいま、美しい肌を維持するポイントを美のカリスマと健康の伝道師に教えてもらいましたーー。
IKKO「あら、先生、ご無沙汰しております」
小林「お久しぶりです。ビートたけしさんの番組での共演以来ですね。最近はいかがですか?」
IKKO「おかげさまで元気です。でも、このコロナ禍、感染拡大に対する不安もありますが、女性の『美』がすごくダメージを受けているのが気がかりです」
小林「たしかに女性の患者さんに聞くと、健康だけでなく、ツヤやハリがないなど肌トラブルに悩んでいる方も増えていますね」
IKKO「先生、肌トラブルを防ぐには、疲れやストレス、睡眠や食生活などを見直して、自律神経を整えることも大切ですよね?」
小林「そうそう。自律神経が整うと、胃腸の調子がよくなり、栄養を吸収する力が上がって、肌にハリやツヤが出るんです。自律神経のバランスがいい人が、健康なだけでなく、見た目も若々しくいられるのはそのためです」
IKKO「じつは私、39歳のときに過呼吸症候群になったのですが、そのときはお肌もボロボロでした。30歳のときに自分でアトリエを構えてから、経営者としても24時間仕事のことばかり考えていて、睡眠時間は常に2〜3時間。朝食も夕食もお肉を食べるなど、食生活も偏っていました。ストレスもかなり多かったと思います」
小林「ストレスは自律神経を乱すうえに、肌にも悪いですからね。ストレスを感じると分泌されるホルモン・コルチゾールは、コラーゲンの生成を妨げて、肌のハリやキメを失わせてしまうんです。IKKOさんはどうやってその状況から抜け出したのですか?」
IKKO「いくらお薬を飲んでもだめだったから、生活習慣を変えようと思って、まずは食生活を改善したの。野菜中心の献立にして、ご飯も十六穀米を混ぜ、根菜やお芋の煮物をたくさん取るように。そしたらお肌もイキイキと!」
小林「腸内環境をよくする食物繊維を多く取ったのがポイントですね。腸と脳は密接につながっていて、腸内環境がよくなると、脳のストレス耐性も強くなります」
IKKO「あと、発想を変えたことも大きいと思います。落ち込んで何も手につかない状態で、時間を無駄に過ごすと福が逃げてしまう気がしたんです。だったら、笑って過ごそうと。笑う門には福来るというじゃないですか」
小林「笑うと自律神経のバランスも整いますからね。最近の研究では、笑いが、免疫の要であるナチュラルキラー細胞を活性化することもわかっています」
IKKO「じゃあ、このコロナ禍こそ『笑い』は大切ですね! そういえば、緊急事態宣言中、気分が落ちてしまったときも、積極的に新しいことにチャレンジするようにしていました。インスタをやり始めたり、リモート会議のやり方を勉強したり」
小林「コロナ禍、知らず知らずのうちにストレスを感じている方はとても多いです。心や体の不調を感じたら、IKKOさんのように、生活習慣や発想を切り替えられるのが、自律神経的にも一番です」
「女性自身」2021年4月27日号 掲載