■早食いは大食いのもと。箸を使ってゆっくり食事を
「ダイエットを成功させるコツは無理な努力や我慢はしないこと。多くの場合、食べ方に問題があります。ちょっとの工夫で、無理なく続けられる方法がたくさんあるんです」
こう話すのは、川村内科診療所所長の川村昌嗣先生だ。食べ方と体の使い方で自らも10kg以上のダイエットに成功したという。その方法は早食いを避けることに重点を置いている。
「まずは食事を五感で楽しむことが大事です。食材の色や形を見て、香りを楽しんだ後、ゆっくり口に含んで、風味や触感、使われた調味料などを存分に味わいます。こんなふうにじっくり食べるだけで一食の時間が豊かな時間に変わりますし、それまで感じなかった甘味やうま味を感じることもできるでしょう」(川村先生・以下同)
私たちの舌は最初に苦味や酸味を感じ、その後にうま味や塩味、甘味を感じるようにできている。早食いは過食につながるだけでなく、料理をしっかりと味わうことのないままのみ込んでいることになり、実にもったいない。
さらに、小さく切って、一口ごとに箸を置く方法もおすすめだ。
「コロッケ、ハンバーグ、唐揚げなどは初めに小さく切っておくと、ゆっくり食べることにつながります。一口ごとに箸を置くようにするとさらにいいですね」
お気に入りの箸と箸置きを用意し、箸をのせる楽しみを持つのもよいだろう。
また、カレーやおにぎりを食べるときにもスプーンや手ではなく、箸を使うといいそうだ。
「カレーやチャーハンなど、スプーンで食べる食事は一口の量が多くなりがちです。これが早食いにつながったり、食後の血糖値を急上昇させる原因となります。一口を小さくするためにも、スプーンではなく箸で食べましょう。おにぎりは米がぎゅっと詰まっていて、1個あたりの米の量はお茶わん1杯分より多いことも。手で食べると、早食いや食べすぎの危険性が。箸で少しずつご飯をとって食べる習慣をつけてください」
マナーとしては問題があるが、茶わんや丼はテーブルに置いたまま食べるのも手だ。箸ですくえる量が少なくなり、自然とスピードが落ちて空腹感が早くなくなるので、食事量も相対的に少なくなるという。
そして最後に肝心なのが、余った料理を無理に食べきらないこと。
「主婦は残り物が出ないよう、最後の一個や一口まで食べきろうとします。この習慣が肥満の原因となっている人は少なくありません。満腹になったら残りは弁当箱などに詰めて、次の食事のおかずにしましょう」
食べたいものを我慢しなくても、食器や食べ方を工夫すれば、食欲に変化が現れて無理せずやせられる。早速今日の夕食は食器の色を変えてみては?