「白砂糖には肌を美しくするすごい力があります。皮膚の中に水分を長時間キープする保湿力、皮膚の細胞を再生させる修復力、そして、強い殺菌作用と肌のバリア機能をアップさせる力など、多くのパワーを持っているのです」
こう話すのは、日本ベビースキンケア協会理事でアビサル・ジャパン代表の幟立眞理さんだ。
そもそも白砂糖は、昔から薬効にすぐれた素材で、厚生労働省が定める「日本薬局方」(厚生労働省発行)には、白糖が薬の原材料として記載されている。
「白糖70%を含む精製白糖・ポビドンヨード軟膏は褥瘡(床ずれ)の薬として現在も医療現場で使われています。軟膏ができる前は、白砂糖とヨードを7対3で混ぜて手作りしていたのです」(幟立さん、以下同)
もともと化粧品素材の研究を重ねていた幟立さんが白砂糖のスキンケア効果について研究を深めたのは、20年前にアメリカに仕事で行ってからだ。
すでに、アメリカではシュガースクラブ(後述)が荒れた肌を回復させることが知られていた。しかし、日本人の肌には刺激が強いため、幟立さんが独自に安全で使い心地のいい白砂糖を使ったスキンケア製品を開発したのだ。
「娘がひどいアトピー性皮膚炎だったため、よい治療法を探していました。そこで、この白砂糖が役立つのでは、と考えました。アトピーの肌は、極度の乾燥肌の状態です。シュガーバス(砂糖を入れた風呂、入浴剤)で白砂糖の高い保湿力を実感した私はアトピーにもよいだろうと考え、日本人の肌に合うやさしい原料を選び、右のようなシュガースクラブを考案しました。
そのシュガースクラブを娘の顔以外の全身に試したところ、かゆみは2〜3日で治まり、1カ月すると色素沈着が目立たなくなったのです」
■シュガースクラブとシュガーオイルでお肌を守ろう
そもそも白砂糖には、水分を保つだけでなく、水と結びついて皮膚の中に浸透して、それを長時間キープする力がある。
幟立さんが30代から60代の日本人女性を対象に行った実験では、白砂糖を使って継続的に肌をケアしたところ、4週間で全員、皮膚表面の角質層の水分量が30%以上アップしたという結果が出た。
また、白砂糖の修復力については、白砂糖が褥瘡の治療薬として使われていることでわかる。皮膚細胞を再生し、傷を修復する力があるのだ。白砂糖は3日で細胞を再生させる驚くべき効能があるという。
さらに、白砂糖は傷の治癒を早めるため、あかぎれやひび、やけどや手荒れ、切り傷、虫刺されなどにも効果が。これは、白砂糖の殺菌力によるものだ。
今の季節、肌の乾燥がとにかく気になるが、特にかかとのひび割れや手指の頑固な荒れ、顔のカサカサなどは多くの女性の悩みのタネだろう。
そのまま白砂糖をあかぎれや傷にぬり込むのではなく、幟立さん考案のとっておきの白砂糖を使ったセルフケアがおすすめだ。
頭皮のかゆみ、にきび、体、かかとのひび割れにはシュガースクラブを使う。