若い女性にも人気のメニュー、つけ麺。

新興店の創作メニューとして、また古くからの店が新たな客をつかむための新メニューとして作られることも多いため、新しいジャンルとしての印象も強いが、最初に世に出たのは今から54年前。東池袋の「大勝軒」で「特製もりそば」として産声をあげた。

ラーメンが1杯35円だった時代に「特製もりそば」は40円と少し高めだったが、爆発的な人気を博し、大勝軒は行列店の元祖として有名になった。現在のつけ麺ブームの源流はすべてここにある。

区画整理と店主・山岸一雄さんの体力の限界のため、惜しまれつつも昨年3月に店閉まいした東池袋の大勝軒。のれん分けしたお店は関東甲信越を中心に数多くあるが、やはり本店の灯が消えたのは寂しい。

閉店後もひっきりなしに続いた、営業再開を求める声。今年1月、二代目の店主と新しい店舗のもとで再スタートと相成った。

師匠と弟子、人と人。
今回は味の継承をテーマに話を聞いていきたいと思う。

東池袋「大勝軒」の二代目店主、飯野敏彦さん。39歳の若さながら、これまでに大勝軒がのれん分けした2軒のお店を切り盛りし、今年1月、周囲の期待に応える形で、二代目店主として東池袋の本店を新たにスタートさせた。

「閉店後にお店の近所をマスターと2人で歩いていると、昔からの常連さん達に『寂しいよ』『もう一度食べたいよ』って、何人も何人も声をかけていただいて…」、そう語る飯野さん。

「僕自身、最初は東池袋の客でしたからね。客時代の自分の気持ちは今でも覚えているから、皆さんの期待に応えなくちゃと思いましたね」

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