その鮮やかなスタイリングと、一度食べたら忘れられない味で話題のお弁当“チオベン”。おいしくて、インスタ映えする“奇跡のお弁当”に芸能界でもファンが続出中―。

 

「一生のうちに、1つのお弁当箱にこれだけたくさんのおかずを詰めることなんて、ほとんどの人はないと思います。これは現実的ではないんです――」

 

自らの作る「チオベン」をこう語るのは、料理人の山本千織さん。チオベンとは、テレビや雑誌の撮影現場にロケ弁として登場するや、その味と美しいスタイリングに感銘を受ける女優やモデルが続出し、マスコミから広がった、代々木上原の弁当店「chioben」の話題のお弁当だ。

 

4月には2冊目のレシピ本『チオベンの弁当本』が発売。そしてこの夏、コトラボ主催の料理教室「チオベンを作ろう」を開催したところ、受講者たちは、「同じようにできた!」と大喜び、ほとんどの人はその場で食さず、「家族に見せたい」「あとでインスタグラムにアップしよう!」と大切にテークアウトしたという。

 

「私は毎日違う人に向けて作っているので、極端なことをいえば同じメニューでも大丈夫ですが、毎日同じ人に作るとそうはいきませんよね。だから、品数は十数種類もなくていいんです」(山本さん・以下同)

 

というように、最近山本さんが家庭向けに提案するお弁当は、定番のおかずで品数を抑えながらも、独特のルールに基づいて美しさ&おいしさを追求した構成になっている。チオベンの美しさの極意は次のとおりだ。

 

【1】テトリスのように詰める!

 

こんなにたくさんのおかずが詰まっている! と思わずワクワクしてしまうぎゅうぎゅう詰めが特徴。

 

【2】わっぱならまずは“のっけ弁”で!

 

「チオベンは、おかずの種類やお弁当箱の形によっても配置があります。長方形なら上から順番に3種類を詰めるだけで美しく配置できます。わっぱ弁当に憧れるのもわかりますが、これをぎゅうぎゅう詰めにするには、実はかなりの品数が必要。初めはのっけ弁にしてしまうほうが、見た目も奇麗で、かつ品数も量も少なくて済むのでおススメです」

 

お弁当初心者や家庭で作るなら長方形の弁当箱のほうが、1、2、3と詰めるだけでいいのでラク。

 

【3】茶色に効果的な差し色は白&黄色

 

お弁当の印象を左右する色み。気がついたらお弁当が「茶色〜い」ということが。そんな色みを明るくできる差し色は、白、黄色がおススメ(緑でもOK)。青梗菜、長ねぎの下のほうを使って白を演出。ゆで卵の断面も活躍する。チオベンは、鮮やかな差し色も特徴的だ。

 

「差し色にトマトを使う人が多いですが、途端に幼くなってしまうんですよね。全体を明るく見せるには、葉物野菜の下の白いところやえのきなどが意外に活躍します。1色でも鮮やかな食材が入れば、食べる人は『手間をかけてくれているんだ』って愛情を感じてくれると思うんです」

 

お弁当は相互関係。「おいしかった♪」のひと言が、「もっとおいしいお弁当を作ろう!」という意欲につながる、と山本さん。

 

【4】配置を吟味して、仕切りは使わない

 

常に十数種類のおかずが混ざり合って寄り添っていて、アルミカップなどの仕切りは使わない。春巻きやコロッケなどのドライなものの隣にはおひたしなどの水物を置かない、春雨などの流れるものの横に固形のおかずをストッパーに、といったようにパズルのように配置ルールを。

 

「もちろんアルミカップを使ってもいいのですが、キャベツやレタスなどの外葉を活用すると、素敵なレイアウトができます」

 

【5】水と油は大敵。徹底的に切る!

 

食べるまでのタイムラグを考慮して、水と油の処理は怠らない。大量に水気が出てしまう素材もあり、ベチョッとしたマズ弁にならないように。炒めたらザルにあげてしっかり水気を切る。

 

「注意してほしいのは、調理中、食材の水気や油を徹底的に切ること。このひと手間を怠らないことで、炒めるときは味がしっかり染み渡るし、食べる前にお弁当箱に水気が出て、見た目を損ねることも防げます」

 

明日のお弁当作りに、チオベンの極意を活用してみては?