「ひどく肩がコって、つらすぎる!」という経験を持つ人は少なくない。コリは日々の生活の中でストレスに耐え、緊張してきたことの積み重ねだ。
コリを感じたらまず、緩めたり、ほぐしたり、温めたりして緊張を解くことが大切。硬い部分や痛い部分を優しくさする、耳の後ろや鎖骨もなでてリンパの流れをよくする。そして温かいお風呂にゆっくりつかって目をとじる……。少しはラクになるはず。
そのうえで、見落としてはいけないのが根本的な原因「体のゆがみ」。何度ケアしてもコリが戻ってくるのは長年の生活習慣(歩き方、立ち方、座り方、食べ方など)で、定着してしまったゆがみがあるからだ。体にゆがみがあると、あらゆるものが滞り代謝が悪くなるので、体にいいダイエットやエクササイズを実践しても効果が出にくいともいわれている。そこで、ゆがみとコリの関係を、カイロプラクティック理学士の檜垣暁子さんに聞いた。
《皮膚(筋膜)のゆがみ》
正確には皮膚のすぐ下にある「筋膜」のゆがみがコリのポイントだ。筋膜は体全体を包むタイツのように存在している組織。筋膜は私たちの体の中で臓器を定位置にキープしたり、筋肉を包んで体の構成部分を形作ったりしている。そのため、一部の筋膜がゆがむと、姿勢に変化が出たり、内臓が下垂しておなかがぽっこり出ることも。頭皮にゆがみが出ると、顔がたるんでしまう。
ある一部分に負担がががる姿勢や動き(スポーツのほか、常に猫背でいたり、足を組んで座る、など)を繰り返していると、その部分に筋膜のゆがみが生まれてしまう。ゆがんだ部分の血管やリンパ管が圧迫され、血流が悪くなったり、老廃物が流れにくくなったりする。筋膜は全身でつながっているので、一部にでたゆがみが影響しあい、コリや痛み、しびれなどの原因になるのだ。
《アゴのゆがみ》
「コリがある人はほとんどの人がアゴにゆがみを持っています」と指摘する歯科医もいるほど。アゴがゆがむと連動して、頭や首のゆがみやコリを悪化させてしまうので注意が必要だ。アゴのゆがみは、見た目はあまり目立たず自覚できない場合がほとんど。そこで、以下のポイントをチェックしてみよう。
【1】口を開けるとアゴが左右にぶれながら動く。
【2】口を開けるときにガクッ、ゴリッ、と音がする。
【3】朝起きたときや考え事をしているときに、歯を食いしばっていることがある。
【4】歯ぎしりをしていると指摘されたことがある。
【5】口を開けたとき指が縦に3本入らない。
【6】顎関節に違和感や痛みを感じることがある。
【7】食事のとき、片側だけでかんでいることがある。
アゴから脳に出入りする神経が最も多くの情報を伝えているので、アゴのゆがみが悪化すると脳にストレスを与え自律神経のバランスを乱したり、免疫機能を低下させてしまうことも。
《骨盤のゆがみ》
骨盤の上に背骨が乗り、背骨のてっぺんには頭蓋骨がある。そのため、土台である骨盤がゆがむと背骨も頭蓋骨もゆがんだり、傾いたりしてしまう。骨盤がゆがんでいるか、チェックポイントは次のとおり。
【1】バッグはいつも決まった側の肩にかけている。
【2】スカートがくるくる回る。
【3】左右の靴のかかとの減り方に差がある。
【4】横座りをしたとき、足が曲げにくい側がある。
骨盤がゆがむと、腰椎や腰全体に大きな負担がかかるので、腰痛を引き起こすことも少なくない。骨盤がゆがむことでひずみがきた筋肉が、なんとかまっすぐな姿勢を維持しようと頑張って硬直したり、骨の一部に負担が集中してしまうためだ。
がんこなコリ、その原因はこれら3つのゆがみのチェックを。