「コレステロール値さえ正常なら、中性脂肪値が高くても問題ないとされていた時期もありましたが、むしろ日本人で心筋梗塞の人は、コレステロール値よりも中性脂肪値に問題があるケースが多いといわれています」

 

そう話すのは、順天堂大学教授の小林弘幸先生。今回は「中性脂肪引き下げ作戦」を、小林先生に教えてもらいました。

 

「つい先日、アメリカの心臓協会が発表した報告書にも、中性脂肪を下げる9つの項目がまとめられていました。その内容とは、減量や、1日の砂糖による摂取カロリーの抑制(女性は約100kcal未満)、さらに果糖の摂取量の制限(100g未満)などですが、腸の専門家である私が注目したいのは、食物繊維です」

 

摂取カロリー千kcalに対し、食物繊維10gを取ると中性脂肪が減るとされ、さらに20gに増やせば、中性脂肪は8%も低くなるという。

 

「成人女性の1日の平均摂取カロリーは2千kcal程度なので、1日20~40gの食物繊維を取ることが、オススメです。日本人の1日あたりの平均食物繊維摂取量は約14gですので、まずはプラス10gが目標。食物繊維は野菜、海藻、豆類に豊富ですが、たとえば、ごぼう2分の1本とさつまいも4分の3個で、食物繊維10gに相当します」

 

ハーバード大学の研究では、食物繊維を多く取っている人は、そうでない人に比べ心臓病による死亡率が25%も低下することが明らかに。中国・青島大学は、食物繊維の豊富な野菜を1日200g取ることで、脳卒中の発症リスクが11%も下がると発表している。

 

「さらに食物繊維をプラスするなら、これから旬を迎えるインゲン豆を! ごぼうの2倍、さつまいもの3倍もの食物繊維が含まれていて、その量なんと、ゆでインゲン100g(10本)あたり約13g!」

 

サラサラ血流と丈夫な血管のために、今夜の献立にインゲン豆はいかがですか?

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