一般的な「寿命(平均寿命)」に対して、健康に問題がなく、日常生活を普通に送れる期間のことを「健康寿命」という。その開きは約10年。平均寿命が男性79.55歳、女性86.3歳に対し、健康寿命は男性70.42歳、女性73.62歳だ。

 

「ここで注目したいのが、転倒の予防です。厚労省が発表している、要介護者の介護が必要となった主な原因のなかで、脳卒中や認知症と並び、転倒が上位に入っています。年をとってから転倒すると、骨がもろく骨折しやすいため、そこから寝たきりになるケースが多いのです」

 

こう語るのは、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生。その転倒を防ぐために、さまざまなトレーニングやストレッチ法が提案されているが、最近、関西医科大学大学院から、新しい研究結果が報告されたという。

 

「それは、足趾把持力(そくしはじりょく)=足の指で握る力、の低下が、転倒と関連があるのではないかということ。介護を必要としない中高年194人を対象に、足趾把持力と、比較対象として膝の伸展筋力(太ももにある大腿四頭筋などを使って膝を伸ばす力のこと)を測定。その結果、膝の伸展筋力よりも、足の指で握る力のほうが、より転倒と深く関わっているということがわかりました」

 

そこでこの足趾把持力を鍛える方法として推奨されている“タオルギャザー運動”を教えてもらった。イスに腰かけ、床に敷いたタオルを足の指でたぐり寄せるというものだ。

 

「それだけで筋力がアップするだけでなく、指先を巧みに使う神経の機能も向上します。また、足の指に限らず足裏全体も刺激するので、うっ血しがちな足の血流も改善。とくにこの時期、女性を悩ませるむくみ解消にもピッタリです。さらに、足裏の筋肉が刺激されることで、足裏のアーチも復活します」

 

タオルギャザーは座ったままできるので、高齢者はもちろん、運動不足に悩む人もテレビを見ながら続けられる。

 

「まずはタオルだけで始めてみて、慣れてきたら本などの重しものせてレベルアップ。そのあと、つま先立ちとかかと立ちも繰り返せば、足先全体の血流がさらにアップします。まだまだ足元も冷えるこの時期。足裏トレーニングで転倒知らずと血流サラサラ体質を目指しましょう」

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